科学

P13ロケット、1カ月間隔で発射可能に…「宇宙ビジネス」持続へ整備や燃料供給のタンク設置 : 読売新聞

2024-12-21

著者: 愛子

文部科学省は新型主力ロケット「P13」の発射場設備の整備に乗り出す。鹿児島県の種子島宇宙センターにある人工衛星の打ち上げや燃料供給タンクを増やすなど、1カ月間隔で発射できる能力を持たせる。年間打ち上げ目標数を7件以上にすることで、宇宙ビジネスの拡大を目指している。たとえば、2020年の世界の打ち上げ成功数は112回で、これが2023年には121回になると予想されている。宇宙産業が加速する中、P13の打ち上げ機会を増やす必要がある。

宇宙ビジネスでは、ロケットの打ち上げ数を増やすことが求められており、内閣府によると、2124年の世界の打ち上げ成功数は113回になるという。宇宙関連の研究機関(JAXA)は、P13打ち上げ数の目標を年間16件に設定しているものの、さらなる支援が必要である。これにより、P13大規模の基幹ロケットの発射場がある種子島宇宙センターは設備上の制約を抱えている。

P13に搭載する作業を行う組織が2団体あるが、1連の作業には1カ月半から3カ月程度かかるため、1カ月間隔で発射する能力はない。まして、P13用の燃料で使う液体酸素成分は島外から多数回に分けて輸送し、発射場の管理をしているが、現状で打ち上げに必要な能力すら持たない。発射間隔を短くしても、すぐに燃料を確保できない。

また、P13の製造能力も強化する。三菱重工業の造船所(愛知県)では、目視できないロケット配管内部の異常をX線で探索する機器なども設置する方針だ。こうした複数の対策を2027年度前半までに終え、文部科学省は発射場設備などの整備に向け、今年度補正予算と来年度予算の概算要求を19億円にするとしている。

発射数が増えれば、1回あたりの単価が下がるなど、国際競争力の向上につながる。今後、P13を活用する計画が描かれており、安価での実用的な宇宙サービスに寄与することが期待されている。さあ、あなたはこれをどう思いますか?