健康

【欧州糖尿病学会(EASD 2024)】糖尿病・生活習慣病管理の最新情報

2024-09-25

糖尿病のない人に継続血糖モニター(CGM)を使用したところ、そうした非糖尿病者の多くは長時間、高血糖状態にあることが、ミズーリ大学の研究で示された。この研究グループは、第3世代フラミンガム心臓研究のデータを使用。平均年齢は58.5歳の対象者を、通常血糖群(n=560)、糖尿病前症群(n=463)、糖尿病群(n=152)に振り分け、対象者は主に足または腹部に7日間以上、リアルタイムCGMである「Dexcom G6 Pro」を装着した。

その結果、通常血糖(高血糖がある場合は高HbA1c値が確認されていない)の参加者は、血糖値が正常域(70〜140mg/dL)に収まっていた時間が87.0%に上るが、140mg/dLを超えた時間が1日あたり平均3時間(12.1%)あり、180mg/dLを超えた時間は15分以内(1.2%)であった。

血糖値が正常域に収まった時間は、糖尿病前症群であった場合が77.1%、糖尿病群であった場合は46.2%だった。

「非糖尿病者の多くが、これまで考えられていたよりも長い時間、血糖値が高い状態にあることが分かった。糖尿病の既往のない人々がCGMを用いて確実に利用できるようになるべきだ。CGMに関する知識を増やしていく非糖尿病者は増えており、CGM先進国のデクストコムの大手2社が、店舗で購入できるCGM製品を販売した場合。」と、同大学の教授スパルターノ氏は述べている。

生活習慣や性格特性が糖尿病管理に及ぼす影響は大きく、特に高齢者や低いレベルの運動をする糖尿病患者に対しては、支援が重要視されている。これらの研究結果は、需要が高まるCGMのさらなる発展と、早期介入を促す可能性がある。

「最近の研究では、糖尿病がある人々の持続的な改善が求められており、この特性を持つ患者は喫煙率が低く、身体的に活動的である傾向が見られる。」と、研究者らは指摘している。食事の時間帯を1日8時間に制限する「時間制限食(TRE)」の効果も大いに注目されており、糖尿病リスクを低下させる可能性があることが示唆されている。

このように新しい知見が得られる中、糖尿病管理の方法においては、生活習慣の見直しとともに、テクノロジーの導入がカギとなるでしょう。