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「オスプレイよりデカい」直接離着陸可能な輸送機は実現する? 軍が求める「スゴイ輸送機」よくも悪くも企業と
2024-10-28
著者: 健二
対中国を念頭にアメリカ軍が求めている輸送機が、C-130のサイズで直接離着陸できる機体です。現在、ある企業がそのコンセプトを公表しましたが、技術的課題のため、その企業が実用化を意図していない分野も見受けられます。
「デカいオスプレイ」とは別の?
C-130はアメリカのロッキード社が製造している中型の輸送機で、未舗装路や短い滑走路でも離着陸できることが特長です。現在、これをさらに進化させた、垂直離着陸が可能な輸送機の研究が行われています。特殊作戦部隊において、これらの機体は孤立した地点へのアプローチや支援が可能であるため、非常に重要視されています。
アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)とアメリカ特殊作戦司令部(SOCOM)は、短距離・垂直離着陸非依存技術(SPRINT)の開発を進めています。2024年7月現在、オーロラ・フライト・サイエンス社とベル・テクストロン社の2社が、機体の設計とシステム技術の成熟を視野に入れた契約を取得しています。
垂直離着陸が必要ない輸送機といえば、ティルトローター機C-22オスプレイがありますが、SPRINT輸送機では、さらに大きくて空中連結距離が長く、かつ高速度のスタイルに優れた機体を求めています。
オーロラ社が発表したSPRINT輸送機のコンセプトは、ストール性を考慮した無尾翼機のような形状で、大きなリフトファンを備えています。そのため、見た目だけでなく、求められる機能性も高いです。しかし、この機体で輸送されることは見て取れず、スケール感を分かりにくくしていますが、翼幅は130フィート(39.6m)で、12.2mのパイロット尽きの有人輸送機を想定しています。この点はC-130と同等のサイズです。