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NY圏相場、反落 1ドール=157円90銭~158円00銭 予想下回る物価指数は支持

2025-01-14

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NY圏相場、反落 1ドール=157円90銭~158円00銭 予想下回る物価指数は支持

【NQNニューヨーク=杤場三仁】14日のニューヨーク外為市場で円相場は4営業日ぶりに反落し、前日比45銭安の1ドル=157円90銭~158円00銭で取引を終えた。トランプ次期大統領が打ち出す政策が米国のインフレ圧力を強めるとの見方が根強く、円売り・ドル買いが優勢となった。

トランプ氏は14日、関税などの影響を受ける「対外歳入(ERS)」を大統領就任日から20日に新設するとの公表をした。外需から歳入する業務を管轄すると説明し、関税引き上げへの意欲を示した。次期政権下でインフレ圧力が高まるとの懸念から、円売り・ドル買いに繋がった。

さらに、日本銀の追加利上げ観測がやや後退したことも円相場への負圧となった。日本銀の金融政策決定会合での利上げを巡る議論が必要不可欠であると指摘され、次回の会合に向けての追加利上げの可能性が低下しているとの見解が広がった。市場では「1月利上げが決まっているわけではない」とした(ジャフリー・ラスキンズのコメント)との受け止めがあった。

一方で、円は買われる場面もあった。2024年12月の米消費者物価指数(CPI)は前月比での上昇率が0.2%で、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.4%)を下回った。エネルギー類を除くコア指数は前月比横這いであり、市場予想(0.3%上昇)以下となった。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ方針が緩和するとの懸念が広がったことも円相場の支えとなった。

また、15日に発表予定の24年12月の米消費者物価指数(CPI)を控え、様子見の風潮が強まった。物価見通しが安定しているとの見方から、121円290銭で取引される場面も見られた。

円は対ユーロでも反落し、前日比で1ユーロ=162円75銭~85銭で取引を終えた。ユーロに関しては6営業日ぶりに反落し、前日比0.0065ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.0305~15ドルで取引を終えた。米長期金利が水準を切り下げた場面でも、ユーロ買い・ドル売りが進んだ。

すでに、ユーロの高値は1.0308ドルであり、安値は1.0243ドルであった。これにより、トレーダーは市場の動向を注意深く見守っている。市場全体では、15日に発表される米CPIを受けて、取引が活発になる見込みがある。今後のインフレ動向に注目が集まるなか、投資家の心理も微妙に変化している。特に、次回の連邦準備制度の政策決定会合において利上げの方針がどう変わるのか、注目が集まっている。