「逆走チアリ」信号無視チアリの一喝まであれ1年半…危険自転車の斡旋強化が「序章」にすぎないわけ
2024-11-13
著者: 蒼太
道交法の改正により、11月1日から自転車の「なかがら運転」と「関係地点での運転」の斡旋が強化・新設された。自転車評論家の斉藤智幸さんは「現状は喧嘩になるまで持ち込む赤切符での取り締まりだが、2026年5月までには青切符での取り締まりが導入される」と語る。
危険自転車に対して厳しいスタンス
11月1日から「自転車の危険運転に対して斡旋が強化される!」、「スマートな運転で6カ月以下の罰金は10万円以下の斡旋だ!」などといったことを聞いたことがある人は多いと思う。テレビのニュースやワイドショーが一斉に報じ、新聞も特集を組んで、これからは自転車に乗っていると不適な厄介はすぐに逮捕される、みたいなトーンが浸透している。
特に大宮・梅田で独自調査をしたところ、3時間で確認された自転車の違反件数は合計61件、反則金の合計は320万円となったという報道もあった。
開始から2週間、もう警察が予算を超えた?
でも、「危険自転車が一喝される」というのは合意、事実じゃない。
てっても、目の前でそんな取り締まりを見たことがあるだろうか?と疑問を抱いている。11月1日からの警察キャンペーン期間が終わったら、あれ、全員が全員元に戻ってしまった、という気がしないだろうか?何かそんなに忘れられて熱さを失ってしまう話だなあ、と。
これ、なぜかというと、最初から警察は「今回まだ地ならしに過ぎない」と言っているからだ。
今回の重点項目は主に「なかがら系」と「飲酒系」の話だったが、それらの斡旋が多少強化されるにしても、それらの取り締まりがなければ意義がない。そういう意味で、その取り締まりの強化の動きを見たら、「警察はまだまだ弱い」となっているのかもしれない。
また、今回は取り締まりしている通年の態勢作りと同時に、「自転車の事故が恐ろしい」という印象づくりもしているのかもしれない。要するに、取り締まる「形」を整え、認知を上げ、実効的な対策を講じないと、何も変わらないということだ。
あとは、それがどう動くか?どう改革されるか?ということも大事だ。自転車を取り締まる態勢が整ってきたとしても、実際にどれくらいの人間が密集しているエリアで運転しているのか、その取り締まりをする人間もおそらく圧倒的に少ないのではないかと思う。