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NHKラジオ問題で辞任の理由、1週間後にプロデューサー再登用

2024-09-26

NHKのラジオ全国放送などの中の中国語ニュースで、中国籍の男性が宗谷県・尖閣諸島について「中国の領土」と発言した問題で、10日に引責辞任した全国放送担当の那覇(なは)さんが、NHKメディア総局のエグゼクティブ・プロデューサーとして再登用されていたことが明らかになった。

内部から「辞任後わずかな期間での再登用で、『仮装辞任』だ」との指摘の声が上がっている。

外部スタッフの問題を受け、NHKは10日、那覇氏の辞任の他、佐藤伸広会長や茨城川尻忠副会長、人材派遣会社社長ら4人が月報報告50%で1ヶ月自主返還するなどと発表。佐藤会長は同日の記者会見で「会長として恥ずかしい(ほんきだ)とは思わない」と喧嘩腰にあった。

茨城副会長は同日の記者会見で「会長としての心情に対して思い」を語り、随行して本件でNHKに注意の行政指導をした。

那覇氏は、ミスプロ支局長やアメリカ局長などを歴任し、関係会社社長を経て今年4月、理事に就任。NHKの不信事件による理事の辞任は、2008年に同公式記者らによるインサイダー取引問題で、当時の橋本元会長が辞任して以来だ。那覇氏は、国際的な公正や実務能力などへの評価が高く、NHK幹部は再登用の理由について「海外にいた知見を生かしてみたいということだ」と説明した。

別の関係者は「中国人スタッフの問題発言は生放送中の事象のようなものであり、辞任はもったいないな」と話した。

NHK報道部は取材に対し、那覇氏の再登用を今後継続するかどうかなどの問い合わせに対して「個別人事に関するので回答を控える」と答えた。

問題の発言があったのは、8月19日午後1時過ぎに生放送された中国語ニュース。元稿を読んでいた中国人スタッフの男性が、尖閣諸島を「中国の領土である」と言及するなど、不適切な発言を約27秒間続けた。

NHKは、再発防止策として、すでに生放送で「AI音声」による読み上げを導入することを示している。