なぜ犬を家族と感じるのか?その驚くべき理由
2024-12-19
著者: 裕美
フィンランドのユバスキュラ大学の研究によると、犬と飼い主の間に生じる「共調整」とは何か。
心拍変動(HRV)が関連していることが確認されました。
HRVとは、心拍の間隔がどれだけ一定でないかを示す指標です。
リラックスしていると心拍のリズムが緩やかになり、ストレス下ではリズムが硬直的になる特性があります。
HRVが高いほどリラックスした状態を示しています。
この研究では、犬と飼い主のHRVが、感情的なつながりによって調整されている可能性が示されています。
例えば、遊びやトレーニングといった特定のタスクでは、犬と飼い主の活動量が一致することが観察されました。
しかし、HRVの関連性は、活動量が一緒であるだけでは説明できません。
活動が一緒ではない状況でもHRVが関連する場面がありました。
研究者たちは、この現象を「共調整」と呼んでいます。
共調整とは、食べる主と犬が互いの感情や生理的状態に影響を与え合い、自動的に調和することを指します。
例えば、食べる主がリラックスすると、犬もリラックスすることがあります。さらに、食べる主が緊張していると、犬もその影響を受けることがあります。
この現象は親子や恋人同士の間でも確認されており、特に強い関係がある場合に顕著です。
さらに、犬を主とする関係性が「共調整」に重要な役割を果たしていることも明らかになりました。
犬を家族の一員として迎え入れ、日常的に多くの時間を共に過ごすことで、HRVの関連が強まるということです。
このような環境は、飼い主が犬と一緒に心地よく過ごせる存在であると認知する機会を増やします。
また、飼い主の感情や心理状態が犬に与える影響が確認されており、不安やストレスが高い飼い主は犬にもその影響を及ぼすことがあります。
これにより、犬がリラックスされた心地よい状態で暮らすためには、飼い主自身が健康であることが重要です。
つまり、犬と飼い主の共調整は、両者の感情的なつながりを深め、共に成長していくための基盤となるのです。
このように、犬との共同生活を通じて、感情や生理的な相互作用が日々の生活に重要な役割を果たすことが示されています。
次回は、親子間の愛着形成における生理的なシンクロニシティの例を見てみましょう。