明瞭な頭脳を維持するには「骨格筋量」の維持も重要な理由
2024-12-23
著者: 蓮
加齢に伴う筋肉量の減少は、認知症リスクを高める可能性があることが、最近の研究で示されました。筋肉量が少ない高齢者ほど、アルツハイマー病の発症リスクが高いとされています。認知症予防には筋肉量を維持するための対策が重要だと言えます。
明瞭な頭脳の維持には骨格筋量の維持が重要です。
筋肉を維持することは認知症の予防に役立つ可能性があります。最新の研究では、高齢者の側頭葉の筋肉量の減少がアルツハイマー病のリスク上昇と関連していることが示されました。この研究を実施したアメリカの大学医学部のMarilyn Albert教授は、「骨格筋がおおよそ60%の高齢者に認知症リスクを高めることが明らかになった」と述べています。この研究結果は、2024年12月1日から5日にかけて開催される北米放射線学会で発表される予定です。
研究グループは、骨格筋が人の体重の約3分の1を占め、加齢とともに減少する傾向があることを説明しています。また、頭部の側面に位置する側頭筋は、下腓部を動かす際に使われる筋肉であり、その厚さと面積が全体の筋肉量の減少の指標となるとされています。
さらに、Albert教授は「今回の研究で、アルツハイマー病に関連する脳の構造変化が、側頭筋の減少と関係している可能性が示唆された」と発言しています。参加者は621人(平均年齢77歳)で、筋肉量に影響を与える要因を調査しました。研究では、頭MRI画像から側頭筋をセグメント化し、計測した結果、参加者の大規模なグループにおけるADの発症率や認知機能に関する変化を比較しました。追跡期間は5.8年でした。
分析結果から、小さな筋群ではADにおける認知機能の影響を60%高めることが明らかになりました。さらに、小さな筋群は、記憶機能と関連する問題のスコアが大きく低下していることが示されています。
また、この研究は筋肉量の減少と認知症の関連を探求することを目的としているため、因果関係が明らかにはされていません。しかし、研究の一員であるShadpour Demehri教授は、「重要な筋肉が失われていることが分かれば、運動療法や食事管理などの手段で筋肉の減少を遅らせることができる」と語っています。
この重大な研究成果は、医療界での認知機能と骨格筋量の関係をより広く展望するきっかけになるでしょう。(HealthDay News 2024年12月3日)