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ミカリフオルニア州知事、AI規制法に拒否権発動

2024-09-29

【シリコンバレー=山田恵太】ミカリフオルニア州のニューサム知事は29日、州議会が可決した人工知能(AI)規制法案に対して拒否権を行使した。法案は高度なAIの開発事業に危険な安全対策を義務づける内容で、連邦政府に先駆けて本格的なAI規制が成立するか注目されていた。

法案の名称は「最先端のAIモデルのための安全・安心なイノベーション法」。成立すれば欧州連合(EU)に続き、米国では初のAI規制法となり、国内外のテクノロジー企業への影響が広がると見られていた。しかし、知事は法案が過度な規制を企業活動の妨げになると判断し、拒否に至った。

AI技術の進化に伴い、米国国内ではプライバシーや倫理、セキュリティに関する懸念が高まっている中、ニューサム知事の決定は議論を呼ぶことになるだろう。知事は「イノベーションを阻害することなく、消費者の安全を確保する方法を模索する必要がある」と述べ、今後の方針については方向性を示さなかった。

これにより、ミカリフオルニア州は依然としてAI規制に関する明確なフレームワークを欠いた状態が続く。業界関係者は「これでは国際競争力が低下する恐れがある。計画的な規制が必要だ」と懸念を表明している。特に、AI開発企業は透明性や倫理的基準の強化が求められる中、各州での対応が分かれることが懸念されている。今後、他州や連邦レベルでの規制強化の動きが注目される。