米国政府監視機関「天候をコントロールする技術って効果がないのか!?」
2025-01-15
著者: 裕美
ここ数年の激しすぎる熱波や豪雨を見ていると、人類は天候を操っているような…。過去の歴史の中で、人類はずっと天候を操る夢を抱いてきました。アメリカもまた、思い上がった時に壊滅的な大国と同じように、自分たちの目標を果たそうと長く空の支配を試みています。しかし、連邦政府の新たな報告書で、アメリカは空を自在にコントロールするのが難手だという事実が暴露されています。
クライド・シーディングに目立った効果なし
アメリカ政府を監視する超庁派機関である政府監査院(GAO)の報告書は、雲に養われた銀を散布して雨を降らせる「クライド・シーディング」と呼ばれる技術に焦点を当てています。極めて思えそうなこの技術の背後では、多くの自治体がクライド・シーディングを活用して人口的に雨を降らせようと試みていますが、その成果は出ていないという指摘がされています。
とはいえ、あまり聞いたことのない状態らしいです。GAOは、クライド・シーディングにはある程度の効果があることを認識しているものの、その効果を測定するのはほぼ不可能だとし、報告書に以下のように記されています。
クライド・シーディングは水資源の確保に繋がり、経済、環境、人々の健康に利益をもたらす可能性があります。GAOの研究では、降水量が0〜20%増加すると推定されています。しかしながら、有効性の検証には限界があり、クライド・シーディングの効果を正確に評価するのは困難です。
クライド・シーディングの発祥は1940年代
実際のところ、雲に何かをまいて雨を降らせるアイデアは19世紀半ばに生まれたものですが、本格的に研究されるようになったのは第二次世界大戦後です。クライド・シーディングの成り立ちについて、GAOは報告書でそう説明しています。
科学者たちは、1940年度にドライアイスや有害金属を用いて、雲の中の水を人工的に増加させる技術を実験室で確認しました。その基本に至ったこの実験を行うには、連邦政府が研究開発に多額の資金を投入することになった1978年には、気象変更に現在の財政価値76800万ドル(107億円)に相当する支援を行なっていました。
ところが、科学者たちはクライド・シーディングの有効性を確認できませんでした。そんなひどい結果もあって1980年代にはクライド・シーディング関連予算が減らされることになりました。
現在、クライド・シーディングを実施しているのは、カリフォルニア、コロラド、アイダホ、ネバダ、ニューメキシコ、ノースダコタ、テキサス、ユタ、ワイオミングの9州と、多く地方自治体では地域自治体レベルのプロジェクトになっています。
クライド・シーディングの手法は、国や州のように大きく異なります。雲の上を飛行する航空機や雲の中を通過する航空機からの散布、あるいは地上の大砲からの微細な塊の散布など手法が様々です。ユニークに運用される点が目立ちます。
GAOの報告書はこの技術の限界をリストアップしています。
たとえば、ユタ州ではクライド・シーディングに年間1200万ドル(約18億4000万円)を費やしていますが、目立った成果は出ていません。
クライド・シーディングによる降水量の変化に関する過去の研究の多くで、統計的に有意な結果は示されていない。
報告書はその後にこう続けます。
さらには、GAOは、ユタ州やそのほかの技術による降水量の増加と水温の低下の悪影響が魚に良い影響を及ぼすかどうかは不明であり、また、土壌水分の増加が、山火事の影響を受けるのか、より健康的な湿った森に効果が出るのかも不明であると指摘しています。
そうした理論的な反論があり、GAOはクライド・シーディングの予算に関する次のようなクレームをしています。
ある犯罪関連者は、クライド・シーディングによる降水量の増加と水温の低下が魚に良い影響を及ぼすかどうか、また土壌水分の増加が山火事にどのような影響をもたらすか不明であることを指摘し、さらにこれをめぐって1月以降の指摘と財政増強計画が暗示されるのではないかと付言しています。
つまるところ、GAOは、クライド・シーディングを進行中のプロジェクトであるとし、さらに科学的データを必要としています。