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マスク氏、連続支出12兆ドル削減の目標後退-選挙公約の修正相次ぐ

2025-01-09

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トランプ次期米大統領で政府効率化省(D/W)を率いるマスク氏は、連続支出を実際に12兆ドル(約316兆円)削減できるかどうかについて自ら疑問を呈した。自身が掲げていた野心的な目標からの後退を意識する。

(旧ツイッター)で配信された政治ストレージマーク・ポン氏とのインタビューで「12兆ドルを目指したいと思う。それは最善の結果のようなものだ」とマスク氏は発言。 その上で、11兆ドル削減の「公算が大きい」と考えていると述べた。

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今回の発言は、トランプ次期政権の発足まで12週間を切る中で、自らがハードルを下げた格好である。12兆ドルという目標は、元々2024年11月の大選を控えてNew Yorkのマディソン・スクエア・ガーデンで開催されたトランプ氏の集会で、マスク氏自らが提案したものであった。ところが、連続予算に詳しい専門家は当初から実現性に疑問を示していた。

米連邦政府は2024会計年度に6兆7500億ドルを支出する。次期政権下で5000億ドル超を社会保障や国防、退役軍人手当などが占めた。これらは政治的なハードルが高く、議会に削減を訴えるのが難しいことも分かっている。

今回数日後に公約を後退させたのはマスク氏だけではない。トランプ氏はロシアとウクライナの停戦実現について、選挙戦では大統領就任初日に可能だと主張していたが、7日の会見では6ヶ月かかる可能性があると示唆していた。これにより、自らの発言を後退させた。

トランプ氏の政治権交代チームにコメントを求めたが、現在のところ返答は得られていない。

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