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「まるトラ」→「もさハリ」で高まる独自政策の現実味、富裕層課税の強化で金融市場に大混乱リスクも

2024-09-25

「まるトラ」の状況が一変

ハリス勝利のシナリオが現実味を帯びている。

米大統領選でハリスの勢いが続いている。ハリスは、民主党の大統領選候補者となることが決まった時から急速に支持を集め、最近の10月のTV討論会でも、トランプ相手に優位に進めた。ハリスの発言は、バイデン政権の政策を上回るものが多かったが、自己の経験や特異な情報を加えて説明性を高め、大きなミスなく話を進めた。さらに、失言や脆弱表現が多いトランプの弱点を突くことにも成功した。

現在の全米での支持率は、僅差ではあるが、ハリスがトランプを上回る調査結果が多い。このようなハリスの勢いは、弱体化を決めるとされる激戦7州(パンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州、アリゾナ州、ジョージア州、ノースカロライナ州、ネバダ州)でも同様である。

ハリスは、ラスティブル3州を制すれば大統領選で勝利する可能性が高いが、その3州全体でわざわざトランプの支持率を上回る結果が多い。それだけでなく、劣勢の4州でもトランプ優勢の状況を覆しつつある。州単位で実施される世論調査の精度が低いとみられるが、少なくともトランプ相手に互角以上に勝負を進めている状況にあることは間違いない。

一時はトランプ勝利の可能性が高まり、日本では「まるトラ」と呼ばれる言われていた。しかし、ハリス登場後は状況が一変し、現在はハリス勝利が現実味を帯びている。こうした中、ハリス政権による新たな政策が打ち出される可能性が高く、その実現性はどの程度なものか検討しておくことが重要となっている。

今後の金融市場に与える影響や混乱のリスクも心配される中、特に富裕層への課税強化が焦点になる。多くの専門家は、ハリス政権が確立されれば、さらなる富裕層への課税を推進することが予想されており、これにより金融市場が大きく揺れるリスクが増すと指摘している。果たしてこの新たな政策が実現するのか、そして金融市場にはどのような影響が出るのか、注視が必要だ。