科学

「量子もつれ」で空間からエネルギーを抽出→瞬間移動→後で使えるよう保存に成功!シュリッカ研究者が発表:革新技術

2024-09-24

ミズーリ大学とミネソタ州立大学の研究者たちが発表した論文「量子コンピュータ上の準真空からエネルギーを抽出・保存する方法」は、量子力学の特性を活用し、空間の一瞬でエネルギーを抽出し、瞬間移動させ、その後に利用できるよう保存する技術の実証を報告しています。

この研究は、量子的な空間での特異な現象を利用しており、完全に空の空間は存在しないものの、量子場において微小なエネルギーが常に揺らいでいる状態が確認されています。このエネルギーは「ハイゼンベルクの不確定性原理」に基づいて生じており、時間の関係から生成されるもので、これを利用する新たな方法が提案されています。

研究チームは、この量子のもつれとエネルギーの抽出において、エネルギーの集積、抽出、転送、保存という4つのプロセスで成功を収めています。具体的には、エネルギーの抽出には、高エネルギー状態における量子もつれを利用し、エネルギーの転送は、エネルギー保存状態での量子的相関に基づいて行われました。

この手法では、2つの量子ビットを必要とし、それらの相互作用によりエネルギー出力が得られることが示されています。放出されたエネルギーは、安全な状態で保存され、後で必要なときに自由に取り出すことができるとのことです。

さらに、エネルギーの転送手法には、量子エネルギー転送レポジトリ(QET)という新しい技術が導入されています。このシステムは、量子的相関と古典的通信を組み合わせ、他の量子ビットの測定結果に基づいて転送が行われます。転送されたエネルギーは、環境から隔離された状態で保存され、必要に応じて取り出し使用されるよう設計されています。

この研究は、IBMの量子コンピュータや量子回路シミュレーターを使用して実験が実施され、理論と実践の両面からの検証が進んでいます。将来的には、この技術が量子コンピュータの性能向上や新しいエネルギー資源の開発に大きく貢献することが期待されています。

この革新的な技術が実現すれば、持続可能なエネルギー供給や新たな通信手段の発展に繋がるかもしれません。科学界からの注目が集まる中、今後の進展が注目されます。