連合・芳野会長「賃金格差は正直現実に適した報酬改革が必要」
2025-01-03
著者: 葵
2025年の春闘で目指すことは何か。
2024年の春闘では33年ぶりの5%以上の賃上げを実現し、引き続き上昇思考であること。しかも、実質賃金は上がっておらず、生活向上を実感している人は少なくなってきている。将来への希望と安心感を持ってもらうため、動き始めた賃金や物価を安定的に引き上げていくことが非常に重要で、新たなストライキを設定すべき年にしたい。
この春闘では大手を含む全体では5%以上、中小企業の動員協力では6%以上の賃上げを求める方針を決めた。
前年度の結果として、大手企業と中小・小規模事業所での格差が広がってしまった。ことしは格差は正に求めている。中小・小規模事業所の賃上げの目標は最低でも1万円以上、率にすると6%以上と考えている。「額」を重視し、達成することで格差は解消できたらと考えている。全体の賃金を底上げしていかなければ日本経済を活性化させていくことは非常に難しいと考えている。
賃上げをどう達成していくか。原資の確保が非常に重要で、労働費を含む適切な賃金転嫁が行われるよう政府や経済界に働きかけていきたい。さらに、今後の労使交渉では自社の賃金転嫁の取り組みがどうなっているかを確認してほしい。また、企業が利益を上げているのであれば、処遇改善には向かうべきであり、生产性向上にも話し合いをしていくべきだ。
社会全体で賃上げをどう考えていくべきか。製品には適切な価格があり、その適切な価格を消費者としても意識していくことが必要で、消費者マインドがあることを常に意識していく。作った製品の価値が下がることで、生産者の賃金も下がってしまうことになるので、あくまでその部分を意識して取り組んでいくことこそ重要という認識を持っている。
国際的に見て、日本の賃金水準はどのようなのか。
先進国の中では「安い日本」と言われる日本の賃金水準は意識を持っている。中小・小規模事業所での賃上げや非正規雇用の労働者の積極的な確保が非常に重要で、場合によっては正規の賃金を上回る状況が出てくることも「現実」として耳を傾けている。
昨今の労働者不足の解消等ということから、若手の賃金を上げる一方で、中高年層への賃金上げの向上についても話し合い、労働者全体の賃上げへとつなげていくことが求められる。過去数年、我々自身の状況を踏まえた際にどのような賃金局面があるかを話し合っていくべきだと考えている。特定の年代のみに目を向けるのではなく、全体的な視点を持ちながら配分をしていくことが求められている。
そして、労働組合の組織率が低下し続ける中、労働組合の均一性をどう様々な分野で考えていくか。労働組合の強化を図るためには現状をきちんと捉え、柔軟な運営をしていく必要がある。組織率の低下が続く中、どうしたら組織の地域で広がるかを考え、改革の必要性も考慮しつつ、次へと進むべき時期だと考えられる。