クルド人武装勢力、シリアの情勢に新たな波紋を広げるか
2024-12-23
著者: 結衣
[2023年12月12日 ロイター] - トルコのフィクション外相は、シリアを訪問し、暫定政権の主力である「シャーム解放構造」(HTS)のジャウラニ指導者と会談した。シリアの情勢にクルド人武装勢力の取り込みが進むだろうと述べ、クルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」の解散を求めた。
YPGはシリア北部で米国が支援するクルド人主力の部隊であり、トルコの安全保障に対する脅威と見なされている。トルコ政府はYPGの活動を厳しく監視しており、彼らをアルカイダとの関係が深いと主張している。
ジャウラニ氏は、シリアの支配権を巡る競争が激化する中、クルド人武装勢力を巡る新たな動きがあると認識し、「今後はYPGがシリアの安定に与える影響がますます大きくなる」と警告した。彼は、シリア内戦の終息に向けた努力を評価しつつも、YPGの存在が長期的にシリアを不安定にするリスクがあると強調した。
国際社会はシリアにおけるYPGの活動について深刻な懸念を示しており、特にトルコとの関係において大きな緊張を生んでいる。トルコは、国境を越えるテロ行為を防ぐために、クルド人武装勢力を排除する政策を強化しており、国際的な圧力も受けている。
さらに、シリアにおける新たな武装集団の台頭が、地域安全保障にどのような影響を与えるかについての議論も進んでいる。これにより、シャーム解放構造のような新興勢力の存在が既存の均衡を崩し、さらなる混乱を招く可能性があるとの見方も広がっている。
専門家は、クルド人武装勢力の扱いについて国際社会が一貫した姿勢を示さなければ、シリア情勢は今後さらに失速していく恐れがあるとして懸念を表明している。