空に「ダイアモンド」を撒くと地球を効率的に冷やす可能性
2024-10-30
著者: 葵
太陽光を反射し、地球を冷やす「成層圏エアロゾル注入」とは?
温暖化はここ数十年の間に危機的な水準にまで達しています。
全てにおいて海面上昇による島の水没や異常気象による災害の増加、農作物不足や生態系のバランスの崩壊など、様々な問題が発生し始めています。
そこで国際的に協力して温暖化を食い止めることが人類の喫緊の課題となっています。
その具体的な方法のひとつが「温室効果ガスの排出量の削減」であり、その中でも特に注目されているのが「成層圏エアロゾル注入(SAI)」です。
これは地上7万〜50キロの範囲で「成層圏」に、大気中に微細なエアロゾルを散布することによって、太陽光を効率的に反射させ、地上に降り注ぐ日射量を減少させる方法です。
研究者たちがこの「成層圏エアロゾル注入(SAI)」に注目し始めた背景には、地球の長い火山活動の歴史が関係しています。火山から放出される二酸化硫黄のガスが何度も地球の平均気温を下げていました。
微細なエアロゾルが上空に留まり、太陽光が反射されることで、地球の温度が下がることが確認されています。
ただし、研究者たちはこの方法が人為的に行われる場合、人間にとっても影響があるリスクがあると警告しています。
例えば、雨雲が二酸化硫黄を取り込み、「酸性雨」が増加する可能性があるため、成層圏におけるエアロゾルの散布によって「酸性」の雨が多くなったり、成層圏に存在する太陽からの有害な紫外線を吸収する「オゾン層」を破壊してしまう恐れがあります。
その一方で、研究チームはエアロゾルの散布に関する新たなデメリットが見つかる前に、太陽光を効果的に反射できる物質の研究を進めていく必要があると強調しています。
科学的な観点から、エアロゾルの施策においては、正確に反射率を測ることや、その影響を細やかに把握する必要があります。そのためには、国際的な協力も不可欠です。
もし成功すれば、私たちの未来は大きく変わるかもしれません。果たして、空に「ダイアモンド」を撒く日が来るのでしょうか?この画期的な技術が実用化されれば、地球環境は大きな改善を遂げることになるでしょう。