恐竜はいつどこに存在していた? 定説が覆る可能性あり
2025-01-12
著者: 弘
地球が誕生してから46億年が経過しました。恐竜は、地球の南半球に今から約2億年前以降に出現し、その後北へと広がり、6600万年ほど前まで地球に君臨していたとされています。
しかし、今回の新たな研究によると、この定説は劇的に変わるかもしれません。
定説より前から恐竜は北半球にいた?
2025年1月8日、オックスフォード大学出版部から発行される動物学の専門誌「Zoological Journal of the Linnean Society」に掲載された研究結果があります。ウィスコンシン大学マディソン校の古生物研究チームは、長年の研究に基づいて、恐竜がここまで考えられていたよりも数百万人も前から北半球にいたのではないかという疑問を投げかけています。
我々はこれまで、その定説を支持するかのように圧倒的な証拠により裏付けてきましたが、(今回の発見は)長い間持っていたこの考えが必ずしも正しくなかったことを示しています。
考えていたよりも前に、恐竜が北半球にいたことを示す証拠を手に入れました。
また、ウィスコンシン大学マディソン校の地質学博物館の研究者であるデイブ・ラブレース氏は、ウィスコンシン大学マディソン校の声明で述べています。
2013年、ラブレース氏率いる研究チームは、現在のワイオミング州にあたる地域である化石を発見しました。この地域は2億年以上前、超大陸パンゲアの北半分にあるローラシア大陸の近くでした。
発見された化石は破片的だったため、研究は年月を要しましたが、古生物学者たちは化石を新種の恐竜のものであると特定し、初期の鳥類型恐竜である可能性が高いことが示唆されました。
新種の恐竜の名前は「Ahvaytum bahndooiveche」と命名されました。この恐竜の体長は最大30.5cm、体重は91.4cmほど。
(Ahvaytumは)基本的にニワトリの大きさで、尾が特に長かったと考えられています。恐竜は見た目にも巨大だと思われるかもしれませんが、最初から大きかったわけではありませんとラブレース氏は述べています。
恐竜が初めて出現した時期と同じ可能性
そして、最も突出したのは、この化石が見つかった岩層の年代でした。
研究チームは、放射性同位元素による年代測定(放射性崩壊を測定することで物質の年代を決定する方法)を実施。Ahvaytumの化石がみつかった岩層が約2400万年~3000万年前のものであることを突き止めました。
定説では、恐竜は古代大陸の南部で生まれ、数百万年後に北に広がったとされています。しかし、Ahvaytumの化石の年代はパンゲア大陸の北半分であるゴンドワナ大陸で恐竜が初めて出現したとされる年代とほぼ一致しています。
「Ahvaytumの化石は、赤道付近・北米で発見された最古の恐竜です」と付け加えるラブレース氏。今回の新発見は、初期の恐竜が地球に広がった方法と時期についての定説を根底から覆すものでした。
ちなみに、このAhvaytum bahndooivecheが発見された地域は、先住民アイヌスタン族が古くから住む土地でもあります。数多くの資料で「昔の恐竜」として取り上げられています。
さらにこの地域では、古い岩層に初期の恐竜がいたことを示す足跡も発見されており、これもラブレース氏によると、恐竜や恐竜に類似した生物の生息地であったことを示唆しています。このことからも、恐竜の起源と進化に関するさらなる研究が期待されます。