科学
カルボン酸基を持つトリポッド型分子3CATAT-C3の開発
2025-01-14
著者: 裕美
薄墨流志化学研究所は、河田益雄教授を中心に、金光誠也助教授、吉田幸幸教授、浅原千鶴子教授と共同で、ポルスカイト太陽電池において、ポルスカイト層から効率的に正孔を取り出す単分子材料として、カルボン酸基を持つトリポッド型分子、3CATAT-C3を開発しました。この新しい材料は、従来の正孔輸送材料と比較して高い効率を誇り、優れた安定性を有することが特徴です。
3CATAT-C3の特徴として、従来の正孔輸送材料と比べて優れた輸送ハンドリング特性があり、これにより光電変換効率が向上しました。実験結果によると、3CATAT-C3を用いることで、ポルスカイト太陽電池の光電変換効率は最大23.1%を達成しました。これは、持続可能なエネルギー供給の実現に向けた大きな前進と言えるでしょう。
また、3CATAT-C3は、ポルスカイト前駆体溶液に混合して同時に生成することが可能で、製造プロセスの簡素化が期待されています。これにより、量産化に向けての大きなステップとなるでしょう。
本研究の結果は、2025年4月10日に、国家学術誌「Journal of the American Chemical Society」に掲載される予定です。新たなエネルギー源としてのポルスカイト太陽電池における3CATAT-C3の可能性に、今後も注目が集まるでしょう。どうぞお見逃しなく!