世界

カナダのトルドー首相「対抗関税の意義ある」 トランプ氏をけん制 - 日本経済新聞

2025-01-12

著者: 蒼太

【ニユーヨーク=朝田瑠治】カナダのトルドー首相は12日、米MSNBCの番組でトランプ次期米大統領が計画している対カナダの輸入品に25%の関税をかけるという案について、「前回と同様に対抗関税をかける意義がある」と語った。

トルドー首相は、カナダが対米貿易においても大きな損失が出る可能性があると警告し、米国企業も影響を受けると懸念を示した。彼は、「カナダ製品には有利だが、米国企業にも大きな打撃を与える可能性がある」と発言し、経済圧力が白熱する中、双方が得るものと失うものをよく考える必要があると強調した。

特に、トルドー首相はカナダの農業と製造業がアメリカ市場に依存しているため、対抗策を講じることが不可欠であると述べ、貿易戦争の影響が経済全体に広がることを危惧している。さらに、次回の国際会議でこの問題について議論を深める必要性を強調した。

カナダ政府はすでに、対抗策を含む複数のプランを検討しており、トランプ政権の政策に応じて臨機応変に対応する構えを見せている。トルドー首相の発言は、国際貿易におけるカナダの立場を強化するための信号でもある。経済学者たちは、これにより北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉にも影響が出るかもしれないと指摘している。国際社会が注目する中、カナダと米国の貿易関係はさらに緊張感を増す見込みだ。