健康

「カゴ」から取り残される私たち 精神医療のあり方、国に責任ないのか | 毎日新聞

2024-09-30

精神疾患は社会の中で、その影響が広がっている。特に精神障害者や家族、医療従事者に注目が集まる中、精神医療に関する国の関与が求められている。これは、10月1日に東京都で行われた精神医療に関する会議にて議論された。政府の精神医療に対する施策が遅れていることが明らかになり、国の責任が問われている。

これは、原告の一人である福井県在住の男性(73)が精神科病院に入院していた際に起きた問題が発端である。男性は2021年7月1日の精神医療に関するセミナーで、自身の体験を語った。その中で、入院中に精神的苦痛を感じ、社会復帰ができる目途が立たないことに不安を抱えていたという。

また、精神障害を抱える患者の数は年々増加傾向にあり、2023年の調査では、精神科病院に入院中の患者が約28000人に達することが予測されている。その中で、20年以上も入院生活を送る患者もいることから、精神医療制度の見直しが急務であると指摘されている。

会議では、精神障害患者の権利が十分に尊重されていない現状や、長期入院がもたらす精神的・肉体的な問題についても議論された。特に、長期入院している患者の多くが、医療を受けられる権利が制限されているという問題が浮上した。

提言として、医療の質の向上を目指し、精神障害者支援のための体制を整えることが必要であると強調された。医療機関と地域社会との連携を強化することで、患者が早期に社会復帰できるようにすることが求められている。

今後、精神医療に関する改革が進められることが期待されているが、一方で国民自身も精神疾患についての理解を深め、偏見をなくすための努力が必要である。精神障害者の支援は、個人の問題だけでなく、社会全体の責任であるという認識が高まってきている。精神医療の進展とともに、患者が安心して生活できる社会の実現を目指す必要がある。