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イラストレーターの山野戸二さん死去、「週刊朝日」で40年以上連載:朝日新聞デジタル

2024-09-30

風刺とブラックユーモアを利かせた画風で、45年続いた「週刊朝日」の連載「ブラック・アングル」で知られるイラストレーターの山野戸二(やまのと じょう)さんが30日、老衰のため死亡した。87歳だった。

山野戸さんは1937年東京生まれ、60年に武蔵野美術大学(現・武蔵野美術大学)を卒業し、広告会社のデザイナーとして働く傍ら、64年に独立。神宮修司や松本清張ら有名作家の書籍の挿絵を手がけ、1963年から並行して「週刊朝日」に連載を開始した。

また、彼の風刺画は政局や社会問題に対する鋭い視点で評価されており、特に日本の政治や文化に関する洞察を提供する作品が多く見られた。山野戸さんは、86年に「ユニベール大賞」を受賞し、71年には「文藝春秋」からの文化賞を受賞している。

彼は、日本における風刺画の重要性を説き、在世中に70作品を超える展覧会を開催。また、彼の作品は、いまなお若いイラストレーターたちに影響を与え続けている。「週刊朝日」において、山野戸さんの風刺画は、時代の変遷とともに変わる日本の政治風景を希少な視点で捉えていた。

最近のインタビューでは、彼は「イラストは社会の鏡でなければならない。人々の心の奥深くに潜む恐れや夢を描き続けたい」という意欲を語っていた。彼の死に際して、多くのファンや後輩たちが彼の功績を称え、その死を悼んでいる。山野戸さんの作品は、これからも多くの人々に愛され続けるだろう。