経済政策決定会合での重要な情報発信、金利パス公開が拒否される - 9月日銀合意覚書
2024-11-06
著者: 桜
[東京 6日 ロイター] - 日銀が9月19日-20日に開いた金融政策決定会合で、金融政策を巡る市場とのコミュニケーションについて議論が展開されていたことが明らかになった。政策委員は、基調的な物価上昇率や景気・物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度について「経済に関する情報発信が必要である」との認識を共有した。政策委員は、その内容についての金融政策パスを公表することについては否決が分かれた。
日銀が6日、決定会合の議事要旨を公開した。決定会合では、多くの委員から7月の利上げが市場でサプライズとして受け止められたことが指摘された。
ある委員は、今回の議事を踏まえると「追加的な利上げを行う局面では、政策スタンスを示し、市場との対話を強化する必要がある」との見解を示した。
特にある委員は、市場とのズレが生じない発信やそれぞれの指標を明測する重要性を論じ、「言葉による発信だけでは限界があるので、政策委員による政策金利パスの見通しを公表することもあり得る」と述べた。
これに対し、1人の委員は「中立金利の不確実性が大きいこと、日銀の経済・物価の中立的な見通しを導く不確実性も大きい」と指摘し、政策金融の見通しを公表することは意味がないのではないかと懸念を示した。
9月決定会合の前は、政策委員による金融経済検討会での相当な見解が出て来るだろうと予想されていた。多数の委員が情報発信の空白期間をなくすべくすることが望ましいとした。
この背景に、1人の委員が、経済・物価の不確実性を踏まえた先行きの政策は先に行くほど「信認を得られない」と述べ、別の1人の委員は、現行の経済活動のために懸念強く反響させていく必要があると説明した。
また、金利の先行きについても、日本の経済環境での公共性の増強を強調し、量的緩和策の持続的な進展が求められる中、日銀の決定能力の一層の向上が必要であるとの見解が示された。
その結果、経済対策の一貫性を保持しつつ、金利政策の調整を行う必要があることが認識された。具体的には、公共事業や民間企業の理解を深めながら、新たな経済環境における政策選択を探り続ける意見が上がっている。
次回の決定会合では、現状の国際金融市場における展開や金利動向についての分析が重要な鍵を握ることとなっている。