テクノロジー

驚愕:米国のパリ協定再離脱、影響は前回2017年よりも巨大

2025-01-22

著者: 芽依

[米国/ロンドン 11日 ロイター] - トランプ大統領が就任して最初に行ったことの一つが、気候変動政策の国際枠組み「パリ協定」から再離脱する大統領令への署名だった。米国の離脱で気温上昇が加速される懸念が広がる中、昨年の地球温暖化に関する報告は、米国からの環境対策資金の提供が減少し、欧米間で環境規制が弛緩し投資の上で不都合が生じるといった事態が懸念されている。再離脱による国際的な影響は2017年の初回経験よりも大きくなる見込みだ。

今回の離脱は1年間以内に発効し、前回離脱した時の3年半よりも短くなる。2017年の米国による離脱発表以降、気温上昇はさらに深刻化した。昨年は史上最も暑い年となり、世界平均気温は産業革命前の水準と比べて1.15度以上も上昇した。パリ協定で目指される「1.5度」上昇を初めて超えた。

オースロ大学法学教授のクリステン・フォイト氏は、「1.5度を超える可能性が非常に高い。その上に気温が上昇するについてはより大きな対策が必要」と指摘しており、気温上昇問題はより大きな対策を必要としていると述べた。

<パリ協定の目標>

気温は数十年にわたるデータを基に測定されている。足元で世界の平均気温は産業革命前を1.13度上回り、今世紀末までに少なくともこれがプラス2.7度に高まることが予想される。危険な水準だが、これでも政治的な目標としては1度を超える可能性が非常に高い。

パリ協定では目標への取り組みが各国に任されている。トランプ氏は米国の国としての二酸化炭素削減としての計画を封印し、「バイデン政権」の時代には1.5度超が達成されることが予測される。

また、多くの国々も気候政策に翻弄されるとされ、特にバイデン政権下では、気候変動だけでなく、米国からの相次ぐ環境規制が消えていくのではないかと、経済に影響し得る新たな懸念が生じている。2050年までにプラス2度を下回ることを目指す発表からも、各国の温暖化対策についての合意が求められる方針が続く。

米国では気候政策の方向性が示されているが、特にトランプ氏の第一期目には行政でなく「経済的な要因」が強く、経済収入を目指して規制の緩和を図り続けた。そのため、地質学的な観点からも温暖化の進行が予想され、とりわけ「再離脱」により、さらなる影響を被る国々への流出が始まることで経済的に報いられない恐れがある。

なお、米国では最新の気象データを用いた場合、1度の上昇がどのように影響しているのか、国の上層部からの更新が求められており、温暖化と経済の不均衡が続く中で国際的な温暖化枠組みが求められる。今後の動きが注目される。