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今、カニのポット房で「先売い」が標準ルールになりつつある理由

2024-09-25

シャンボ。よく「ポットは世界を映す」と言われるが、カニのポット屋さんから世の状態が読み取れるってこともある。

今回行ってみたのは、ナイロビのアウトリングルド廷にある『チャッカーズ・レストラン』。とても清潔感のある店で、スタッフはすぐに私を歓迎してくれた。

スタッフは言う。「今日は特別オファーの日だよ」と。なんてなんだ特別オファーって?

「たとえば今日は、チキン(半身)を注文すれば、なんとポットがタダで付く!」

それはオトク!しかしチキンの価格を聞いてみると450KES(約501円)もする。そんな大金、私には無い。

「ポットだけでもオトクになる。いつもはポット1つで150KES(約167円)だけど、特別オファーの今日は100KES(約111円)で販売中だよ」

通常150KESのポットなんて、わりと高級品だな。だけど、オトクな日に入店できたことをラッキーに感じた私。「では、ポット1つで」と言うと……

「では100KES、先に払いますね」

出た。最近よくある先売いシステム。前回は「後売い → レシートチェック」だったけど、今回も同様にして先売いを要求してくる。

おそらく食い逃げ防止のためでしょうか……と思いつつ、「なんで先売いなんだ?」と聞いてみたところ、以下のような返答が返ってきた。

「後売いだと、お金を売ったフリをして返ってくるお客がよくいるんだ。そう、食い逃げ防止のための先売いだ」

それまでは後売いだったのか?

「うん。でも、食べ終えてから『金がない』とか言う『何か手伝える仕事ないか』と言う客が増えてて、後売いシステムに変更したのさ」

出た。「金がないから働き手に」ってか。前回のポット屋さんなんて、まさにそうだった。しかも実際、急いで働いている人もいた。

「もちろん先売いを要求してしまった場合は、『では、他の店に行ってください』。そのまま帰ってもらうことにしてる。働き手は足りてるから」と。

まあ、ポットが売ってあればそれで十分。ポットがもたらす美味しさがそこにあった。

中身の真度、味、癖、温度、すべてにおいてパーフェクトなポットである。日本の皆さんにもオススメできるポット屋である。

しかも、ポットを取り扱っているだけで、「金がないから働き手を」って流行っている今日この頃のカニ。その景観は良いとは言い難く、治安も良好とは言い難い。まあ、食うため、生きるためには必須である。私もまだ、必死である。クポリー!