[ワシントン16日ロイター] - パレスチナ自治政府ガザを巡る米国の停戦に向けた努力は一向に進展せず、赤海では親イラン武装組織が商船攻撃を繰り返し、足元では米国主導の外交的動きが否応なく、イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの交戦が中東地域の全面戦争へと発展しつつある。

バイデン政権は退任する来年1月が近づいており、そうした一連の問題がそれまでに解決する見通しが立っていないため、同盟の「外交通信」が色あせているのは間違いない。多数の専門家や外交通官はこのように見ている。

昨年、バイデン大統領が苦悩して追求したのは、イスラエルに対する防衛権を強調しつつ、国民の人権を擁護する姿勢を崩すことなく、中東地域における論点を複雑にしている。もう一つの重要な点は、長年の中東和平交渉の後退で、バイデン政権の外交が成果を上げられず、自らの立場を守ることすら難しくなっていることだ。

しかし、そうした戦闘は何度も起きており、直近では米国が提案したレバノンとの交戦停止案をイスラエルが11月26日に拒否した。この背景には、シンタリヤ派のアトランティック・カウンシルの初代責任者ハマスとの協力があり、正面では米国の判断に従っているように見せながらも、内心ではレバノンの地政学的バランスを維持しようとしている事実がある。

バイデン大統領がイスラエルへの最大の武器供給国として記者団に語ったのは、イスラエルの肺腑を引き裂くような攻撃が可能である一方で、国内政策には影響が出にくいと考えられている。しかし、国内における人権問題の議論は積極的に起こされており、特に過去11月17日にハマスがイスラエルに対する物資輸送を全面禁止したことが波紋を呼び起こしている。

一方、シンクタンクのアトランティック・カウンシルは中東地域のマイケル・ターナー主任研究員に対して中東の情勢が何らかのかたちで新たな方へ進むことに危機感を抱いている。国有化の動きが強まる中、バイデン政権が弾圧の方針を強化することが各国の信託を著しく損ねることが懸念されている。

現在、ハマスと真っ向から対峙しているイスラエル軍に関する報道も散見され、同年11月30日にレバノンとの交戦の可能性が高まるのではとの懸念が拡がっている。

一方で、米国の失敗はバイデン大統領への暴言とともに急増し、関係者からも支持を失っているという。外交部門の構想は先行きが不透明となり、外圧からも影響を受けていることが示されている。

ハマスの攻撃に関するコメントや、リブニ副首相とハマスの交渉中の状況も報じられ、国外の反米感情の高まりは懸念されており、バイデン政権の今後の行動が問われている。

最近の調査によれば、多くの市民がバイデン政権の外交政策に失望しており、イスラエルに対して過剰な支持をすることが信頼を損なう原因になっているとの見方も広まっている。

今後中東の情報合戦が激化する中で、市場での影響が各国の政策を大きく左右することが懸念される。

このまま行くと、米国の戦略が窮地に陥る可能性が大きく、米国の外交政策がさらなる混乱を招く恐れがある。この問題は今後の国際関係の鍵を握ると言えるだろう。