新型コロナウイルス感染症（COVID-19）が世界的に流行してから、すでに5年が経過しました。この間、次なる未知の感染症の発生への備えが求められる中で、今後流行する可能性のある感染症の予測が注目を集めています。

2024年11月16日から17日にかけて長野市で開催される第56回日本小児感染症学会・総会学術集会のテーマ「コロナ後の過渡期を見据えて」で、長野県立南部病院の小児科主任の若林恵子氏は、今後流行する可能性のある感染症として「オロパリジェ熱」に注目し、その症状や媒体に関して説明されました。世界保健機関（WHO）が作成する最新の感染症リストの中でも、アルボウイルス感染症の一種である「オロパリジェ熱」が特に懸念されています。これは蚊を媒介としたウイルス感染症で、発熱や皮疹を引き起こすことが知られています。

また、今年のアフリカで流行を見せた例に基づいて、専門家たちはこの病気の拡大を防ぐために、早期の対策と監視体制の重要性を強調しています。さらには、風邪やインフルエンザと類似の症状を持つため、診断が難しい場合がある点にも注意が必要です。これにより、医療システムへの負担が増加し、経済活動にも影響を及ぼす可能性があります。

今後も新型コロナウイルスの影響を踏まえたなか、オロパリジェ熱に関する研究や疫学調査が進むことが期待されており、私たち国民も感染症への理解を深め、予防策を講じることが求められています。