ビジネス
仮想通貨「$トランプ」登場、利益誘導に疑念も
2025-01-19
著者: 陽斗
【ニューヨーク=篠内恵文】トランプ氏の公式暗号資産(仮想通貨)「$トランプ」が発行された。この仮想通貨に対して、特定のキャラクターやユーモアを主題とし、経済的な有用性というよりファン向けグッズに近い。
しかし、$トランプは2024年の大統領選において仮想通貨産業から支持を受けていることが深まっている。
トランプ氏は20日に大統領に就任する同僚の人格にあやかったもので、資金が殺到し既に時価総額は130億ドル(約2兆円)規模に達している。特に「ミームコイン」と呼ばれる仮想通貨の一種で、特定のキャラクターやユーモアを基にし、経済的な有用性というよりファン向けのグッズに近い。
仮想通貨市場の中では投機目的で購入が活発となるケースが少なくない。暗号資産の購入にトランプ氏が関わることで、結果として利益誘導に対する疑念もある。
トランプ氏は20日夜、自身のSNSでの投稿で「私たちが体現するもの、勝利を祝う時だ。特別なトランプ・コミュニティに参加し、$トランプを手に入れよう」と書き込んで知らせた。
米情報サイト、コインマーケットキャップによると、発行直後の米東部時間17日深夜時点で7ドルだった価格は19日午前9時30分(日本時間同日午後11時30分)時点で65ドル近くまで跳ね上がっている。時価総額は130億ドルを超える水準となった。
2024年春にはトランプ一族で別の仮想通貨ビジネスを設けるとの報道があり、ポートハウスに人工知能(AI)と仮想通貨を担当する高官のポストを新設。SECの次期委員長候補にも仮想通貨推進派のポール・アトキンス氏を指名した。