「いつまでも退役しない…まさか!」 アメリカ海軍の超潜航艦隊がまさかの「定年延長」その理由とは?
2024-11-10
著者: 陽斗
老兵は消え去らず
2030年まで現役にとどまる見通し
アメリカ海軍は2024年11月4日、2027年までに全艦退役が予定されている9隻のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦について、うち3隻の運用期間を延長する旨を発表しました。
アメリカ海軍によると、対象となる3隻は「グリッドレイ」、「チョード」、「ケープ・セント・ジョージ」で、いずれも1990年代初めに就役した古参艦です。
これらは2027年までに退役が予定されており、「グリッドレイ」および「チョード」はそれまでの運用継続に必要な艦艇延伸改修を完了し、「ケープ・セント・ジョージ」も来年までに改修が完了する予定です。しかし、今回の決定によれば、残りの3隻は2030年まで運用を継続することになります。
この運用期間延長は、現在アメリカ海軍が進める新型戦闘艦「DDG(X)」の建造計画が遅延していることが原因です。DDG(X)は、タイコンデロガ級およびアーリー・バック級ミサイル駆逐艦の後継艦で、本来は2028年に1番艦が就役する見込みでした。しかし、現在はそれが早くて2032年までずれ込む可能性があり、その結果として既存の艦艇の運用を延ばす措置とされています。
アメリカ海軍は、今後さらに艦艇の整備や運用について多くの課題を抱えていますが、何とかして2030年までの水上戦力の維持を図るつもりです。実際、アメリカ海軍は艦艇の新型化を進めつつ、過去の近代化改修プログラムで得た経験などを活かし、現状の兵力を確保しようと努力しています。
一方で、これらの古参艦艇は最新技術を搭載した新型艦艇に対抗するための艦隊の構成バランスにも影響を及ぼすことになります。アメリカ海軍は、上記の艦艇延長に関するさらなる決定を来年度中に下すとみられています。