イスラエル首相、国連演説で「ハマス壊滅」宣言 停戦へ極端な強硬姿勢を示し国内外に不信感も
2024-09-28
著者: 健二
【テルアビブ=倉持健生】イスラエルのネタニヤフ首相は27日、ミュンヘンでの国連総会での一般討論演説において、ハマス壊滅を明言した。彼は他国の指導者がイスラエルを囲む「敵や仲間」を列挙し、いらだちを示した。
イスラエルは「民主主義と平和の国」との位置づけを持ち、「忍耐な独裁国」の対極に位置することを強調した。ネタニヤフ首相は演説の中でハマスの「崩壊」と「人質の解放」が実現できていない状況に懸念を示し、強硬な軍事政策に舵を切る意向を示した。
ここ数ヶ月、アメリカなどの同盟国と連携し、停戦を促進する動きが続いているが、イスラエルの強硬路線がこの流れに逆行しているとの批判も出ている。国際社会からの支持を得るためには、一定の抑制が必要とされる中で、ネタニヤフ首相の態度は疑問視されている。
アメリカのバイデン大統領との協議の最中、ネタニヤフ首相は「完全な勝利」まで戦い続ける意向を示し、軍事政策の変更を拒否した。この姿勢に対して、国連では他国からの非難の声もあがっている。特に人道的支援を求める声が強まる中、停戦に反対する理由が不透明であると指摘されている。
最近では、ガザの人道的危機を緩和するための取り組みも進んでいるが、ネタニヤフ首相は強硬な立場を継続しており、演説の内容からはその考えが色濃く反映されている。国民の間でも、戦況が長引くことによる不安の声が高まっており、政治的な見解の不一致が生じている。
ネタニヤフ首相が掲げる「ハマスの敵対と完全戦闘」という主張は、今後の中東情勢にどのような影響を与えるのか、注目が集まっている。対立が激化する中で、国際的な調停が求められる場面も多く、今後の動向に警戒が必要だ。