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イプシロンS「爆発」、原因異常など調査 JAXA

2024-12-25

著者: 海斗

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、次世代小型ロケット「イプシロンS」の2段目エンジンの燃焼試験中に発生した爆発について記者会見を開き、原因調査の進め方を説明した。

エンジンを覆う圧力容器内の圧力異常、燃焼ガスの漏れ、容器の破損の3点に着目する。試験データなどを分析し、爆発に至った要因を絞り込む。

燃焼試験は11月26日、種子島宇宙センター(鹿児島県)で実施された。約2分間燃焼するはずだったが、点火49秒後に爆発した。23年7月の能力代ロケット試験場(秋田県)での試験に続き、2回目の失敗となった。

原因調査チームが試験データを分析したところ、以下のような結果が出た。まず、燃焼後17秒から、圧力容器内の燃焼圧力が上がり始めた。次に48.9秒後の時点で圧力が下がるが、49.3秒後に圧力容器の破損に繋がる「爆発」が発生したことが確認された。

試験時に撮影された画像なども踏まえ、48.9秒後の時点で圧力容器が漏れ、その後爆発したと判断している。燃焼ガスは推進薬を燃焼させて出るガスで、本来はエンジンノズルから排出されるものだ。

原因調査チームは3点の発生原因を調べあげて、爆発した要因を絞り込む。イプシロンSの開発責任者である井元隆行プロジェクトマネージャーは「前回は爆発と圧力の上昇が強く関連していた。今回は関連の有無も含めて調べていく」と話した。

前回の失敗は圧力点火装置の一部の流解が原因と結論づけ、この部品に対し断熱材を施す対策をしていた。今回は部品の流解は見られなかった。

イプシロンSは、JAXAとIHIエアロスペースが開発した固体燃料ロケット「イプシロン」の改良機能にあたる。2024年度中の初打ち上げが計画されていたが、JAXAは12月に「技術的に不可能」と正式に判断した。新しい設計や対策が必要とされる。