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インタビュー:『金融ある世界』で業界回復へ、資産形成商品が起爆剤に - 第一生命社長
2025-01-05
著者: 蒼太
【東京 6日】 - 第一生命保険の堀野啓亮社長は、「金融ある世界」への回帰を背景に資産形成商品の需要が高まる中、資産形成商品を通じて業界回復を志向していると語った。
近年、業務職員による金融詐欺などの不正事例が相次ぎ、業務活動を制限していたが、堀野社長は社長に就任して以降、攻めの姿勢に転じる方針を打ち出し、業界は回復の兆しを見せている。資産形成商品の投入は施策の一環であり、堀野社長は回復の「起爆剤になり得る」と訴えた。
第一生命は、2023年12月から独自の指標に基づいた受取額が変わる個人年金保険を発売した。この商品は、従来型の保険が固定的な受取額なのに対し、金融市場の変動に応じて受取額が変動することが特長で、市場のニーズに応えるとともに、顧客への新たな提案を図る取り組みでもある。
さらに、金融商品をめぐる規制が厳格化する中で、新商品の開発や販売の強化が重要であるとし、堀野社長は、2024年以降の成長戦略として、個人年金保険や投資信託などの資産形成を強化する施策を発表した。特に、若年層をターゲットにした新商品を含む市場の開拓が急務だと強調した。
また、堀野社長は、今後の景気動向に注目し、金利上昇の影響や新しい顧客ニーズにどのように応えられるかで業界の競争力が左右されると述べた。彼のリーダーシップの下、第一生命はシンプルで分かりやすい金融商品を提供することを目指しており、顧客との信頼関係を強化することも重要視されている。
「今後、資産形成を通じて安心を提供していきたい」と語ったこの社長の言葉には、業界の復活に向けた強い意志が込められている。