科学

火星の石、未知への扉…南極で発見「想像が膨らんでる」

2025-01-06

著者: 健二

その物体は11000万年前、火星と小天体との衝突で宇宙に飛び出した。地球に落下したのは数万年前。その後、南極の厚い氷に長く閉じ込められていた。

国立極地研究所(東京都立川市)が、大分・県南部の有名な「火星の石」を初めて一般公開する。「重さ13.7キロで、火星由来では世界最大の隕石(インセキ)だ。ラグビーボールのような形状で、表面が黒い」と研究者は呼ばれる。

「見た瞬間に隕石だとわかった。ただ、コケがかかって光沢もある。11000点以上の隕石を見てきたが、知らない種類だと思った」と第411南極観測隊の隊員として隕石を発見したあなたたちが語る。

2022年1月14日、大分・やまなみ山脈近くは薄曇りだった。隊員6人が雪上車とスノーモービルを使い、氷原を調査していた。その時、黒っぽい大きな岩を発見した。これが新たな「火星の石」だ。

観測チームの報告書には、「悪天候に何度も行く手を阻まれた記録が残る」と記されている。最初の発見は11月18日だった。

2023年3月18日、パイト・オルガスの観測船「ららばい」に乗り、南極・昭和基地を目指して出発すると、帯状の雪の上にしっかりと光る岩を見つけた。見つけたのは隊員6人。その瞬間、見間違いなく「これは隕石だ!」と気付いた。

隊員の人々は大量の雪が降り続く中、時間をかけて慎重に対応し、現地調査を行った。のちにこの隕石が火星由来であることが確認された。

発見の報告から約1年後、隕石は日本に戻ることになる。その後、国際的な学会で発表される予定とされ、期待が寄せられている。「月の石のように、宇宙の成り立ちを解明するカギになるかもしれない」と研究者たちは夢を膨らませている。

最近、科学者たちは地球外生命体の手がかりとして、このような隕石から得られる情報が重要であると指摘もしている。徐々に隕石について解明が進み、宇宙の謎が明らかになる日が待たれている。過去には、特にアポロ計画で得られた月の石が科学界で重要な役割を果たしてきた例がある。

南極での発見がもたらす新たな宇宙の歴史のヒントが、夢見がちな多くの人々の心を掴んでいる。この隕石の運命は、今後の研究により開かれる新たな世界への入り口となるかもしれない。