科学

火星表面で過去最大の有機分子を発見!複雑な有機物が長年保存されていることを示唆

2025-04-06

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数十億年前の火星には、自己の生命が誕生していたと考えられているが、今のところ決定的な証拠は見つかっていません。生命に関連する有機分子は、火星の過酷な環境では分解されてしまい、その痕跡すら残らない可能性があります。

フランス・サイエンス国立研究機構(CNRS)のカロリーヌ・フレッシネ氏を含む国際研究チームは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「ローバー・キュリオシティ」による火星の岩石の分析中に、火星表面で発見された過去最大の有機分子を発見したと発表しました。

今回発見された有機分子の発見だけでは、火星の生命の存在を証明するものではありませんが、古代火星の生命が誕生しうる環境の証拠を示しているとされています。火星の生命活動に由来する可能性がある有機物が現代にまで残っているかどうかは、まだ不明ですが、研究者たちはその可能性に期待を寄せているとのことです。

さらに、今回の研究では有機分子の形成過程や、それがどのようにして分解されるのかといった側面も探求されており、火星での有機分子の存在は、太古の火星の構成要素や生命の起源に関連する重要な情報を提供する可能性があります。

発見の背景には、火星探査機が長年にわたり収集してきたデータがあり、今後の研究によってもさらなる有機分子やその変化が観察されることでしょう。関係者は「数十億年前の火星が、今後の生命探査における鍵となるかもしれない」と語っています。この研究結果は将来的な火星探査の礎となり、さらなる発見への期待が高まります。