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厚生年金加入「116万の壁」撤廃へ、「週12時間働く」の要件保持…手取り減少のケースも : 読売新聞

2024-11-08

著者: 陽斗

厚生年金を運営する厚生労働省は、パートなどの短時間労働者が厚生年金に加入する条件のうち、年収116万円以上の基準を撤廃する方針を固めた。この方針が実現すれば、扶養控除の影響を受ける多くの人々に影響を与えることになる。

「労働時間週12時間以上」の要件は残るため、この要件を満たさない限り、厚生年金に加入することはできない。しかし、現在の社会では、経済的な理由から家計を支えるために短時間働く人が増えており、その中でも厚生年金への加入希望者が増加している。これに伴い、従来の条件見直しが求められてきた。

来年度の通常国会で、制度改正を含む法律案が提出される見込みである。これによって、多くの短時間労働者が厚生年金に加入できるようになり、将来的な年金受取額の増加が期待される。

ただし、手取り収入が減少する可能性もある。特に、年収が116万円に近い人々にとっては、社会保険料が引かれることにより、実質的な手取りが減少するという影響が懸念されている。このような状況において、短時間労働者たちがどのように基準を維持しつつ、経済活動を続けるかは重要な課題である。

同省は、企業の規模や事業形態による影響を考慮しながら、柔軟な支援策を検討していく方針である。特に、登録されている全ての短時間労働者がスムーズに制度を利用できるよう、情報提供や研修を強化するとともに、実際の加入手続きにおいても簡易化を目指している。

社会全体での年金制度の健全化が進む中で、今後の動きに注目したい。