「ホラー漫画の神様」濱田あさおさん、ギャグ、SFと幅広く魅了 新作制作中で無償の報告
2024-11-05
著者: 愛子
ホラーやSF、ギャグなど、幅広いジャンルで才能を発揮した漫画家の濱田あさおさんが亡くなった。濱田さん自身も独特な感性で人々を魅了し、漫画の枠を超えた活動でファンを惹きつけていた。
濱田さんは小学校4年の時から漫画を描き始め、高校3年でデビュー。少女漫画誌を中心にホラー漫画の連載を続けてきた。
緻密を重んじた描き込みと、引き込まれる独特の画風。昭和47年に小学生が文明の崩壊を題材にタイムスリップするサバイバルホラー漫画『漂流教室』が人々と共鳴し、50年に第20回小学校漫画賞を受賞した。フィクションが平然と語られる現代社会において、奇妙な独自の視点がしばしば人々に驚きを与えている。
「ホラー漫画の神様」と称される一方、昭和51年に連載開始のギャグ漫画『まことちゃん』がヒットした。主人公の小学生のシュールなギャグが世代を超えて受け入れられ、指を折り曲げる「グラシ」なる指サインは社会現象と化した。
読者の驚きに全力
濱田さんはスポーツ紙のインタビューで「(簡単に物語ができる)『戦争、病気、貧困』を描かない」と語っている。ホラーもギャグも独特な視点や結末のオチを思い付くのが難しいと共通しており、読者の驚きを常に意識していた。
私生活では、赤と白のボーダー模様にこだわり、このスタイルがあのホラー作品のイメージを考える上でのヒントとなったと明かした。濱田さんは新たな作品展開として、「濱田あさお大美術展 -漫画と美術の大転換点-」で、アクリル画101点による連作を発表する。
開催は10月末まで金沢21世紀美術館で行われている。また、小学校集英社プロダクションが10月2日に、新作を創作中であることを報告しており、ファンからの期待が高まっていることが分かる。 (高木剛司)