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ヘッジファンド、トランプ氏勝利について再考 - ドル下落に焦る

2024-11-05

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予測を許さない米大統領選の情勢が一部のヘッジファンドを、カマラ・ハリス氏が大統領に選出された場合のドル安の懸念を抱える通貨オプションへと追い込んだ。

これまで共産党傍援のトランプ氏の勝利が確実視されていたアイオワ州の世論調査が接戦を示したことで、レバレッジファンドは選挙結果について再考を迫られ、4日にはドルに強気のポジションを一部解消した。

多数のトレーダーによると、民主党傍援のハリス氏が勝利した場合、ドルが下落するという見方が広がるとともに、ユーロとオーストラリアドルのコールオプションを購入する動きも見られた。

「為替オプションを通じてドル相場の逆転を狙えよ」と、ヘッジファンド業界の中心にいるトランプ・ダグ氏(シンガポール在住)が述べた。同氏によると、世論調査結果を受けて1週間から1カ月後が満期の強気なドルのコールスプレッドオプションが人気を集めているとのこと。

トレーダーらは選挙結果を受けて市場が不安定になる可能性を見込んでおり、接戦が続いている中、ドルとリスクマネーの流れに関する最終調整を行っている。ドル指数は、特定の投資家が5日の投票での勝者に関する再考を示した後、一時的に下落した。

トランプ氏が勝利した場合、ドルは13%上昇する可能性があると見込まれている。反対に、ハリス氏が勝利すればドルは12%まで下落する可能性がある。

シティグループのダニエル・トラニエル氏は「トランプ氏が勝利した場合、ドルはその後に利益が出るでしょう。しかし、米国の経済回復が見込まれる一方で、ハリス氏が当選すればドルの下落が続くかもしれません」と述べている。

流動性のドル指数は、投資家が5日の投票に一体どのような影響を与えられるか、しっかりと見極めている様子だ。市場環境が不安定になる可能性があるため、接戦に便乗する形で投資戦略を練る投資家も見受けられる。