
和歌山市の動物工場問題、「動物愛護観念が見えない」…「搬出調査」は困難: 読売新聞
2025-03-31
著者: 芽依
和歌山市南区の動物園「ノースサファリ」の無許可開発問題が急速に注目を集めている。この動物園は違法建築に対する全面撤去を目指して運営会社が市に提出した「動物移動計画書」の中身が判明した。しかし、市が求める具体的な情報は与えられておらず、担当部門が3月11日に市役所で開いた記者会見では、最近の動物への対策調査を行う方針が示された。「動物状態の全貌(げんぎょう)がまるで見えない」と市執行部の一人は呟いた。
市の会見内容
午後3時半頃、記者会見に登壇した市担当者は、運営会社「サクレス観光」の計画書をがどう評価したかを述べた。会見での説明によると、提出された書面は和歌山市において不適切な動物の存在や数、搬出先、搬出予定日などを明らかにするよう指示され、それらが記載されていなかったそうだ。このため、1月末に予定されていた搬出計画すらも遅れが生じている。
動物愛護の観点
市は3月中の提出を求めており、動物愛護管理センターの担当者は「動物愛護の精神を持っていたとしても、具体的な情報がなければ何も進まない」と語り、また、本件に関して動物園の関係者にも周知する必要があると強調した。
具体的な方針の重要性
和歌山市は、動物の種類や数量、搬出先など具体的な方針を明示するよう指示しており、動物愛護の観点からもその重要性が問われている。動物園内部の調査が行われることが望まれるが、同時に動物の搬出先についても市が調査を行うことは困難であるとの声も上がっている。「搬出確認」が難しいとなると、さらなる問題が浮上することになる。
急がれる対策
市の担い手は提案された案を含む動物の搬出先を迅速に確定する必要があり、動物愛護管理の専門家は、早急な対策が求められていると警鐘を鳴らした。また、和歌山市の状況に加え、全国的に動物福祉に対する意識を高めるための取り組みが必要であるとの意見も多く寄せられている。特に、動物愛護団体からは、許可なく動物が飼育される危険性についての懸念が表明され、適切な監視体制の確立が求められている。