ハッブル宇宙望遠鏡が10年続くプログラムで観測した木星・土星・天王星・海王星
2024-12-24
著者: 裕美
ハッブル宇宙望遠鏡(HST)は、この10年間にわたって撮影した木星、土星、天王星、海王星の画像を集めたプロジェクトを行っています。下段に木星、中段に土星、上段左に天王星、上段右に海王星が配置されています。
このプロジェクトは、「OPAL」(Outer Planet Atmospheres Legacy)の一環として実施されており、太陽系の巨大惑星の大気の変化を捉えるものです。OPALは、2014年に始まった太長期観測プログラムで、現在進行中です。
今後注目すべきなのは、7点の画像が同じ山並みに配置された土星の観測です。土星の自転軸は公転軌道に対して27度傾いており、これにより地球から見る土星の姿がいつもと少し異なって見えます。ハッブル宇宙望遠鏡が2018年から2024年まで毎年撮影した土星を観ると、南半球の大気に隠されていた部分が徐々に見え始めています。その際、雲の色合いが変化していく様子がわかります。
また、2025年には土星が地球や太陽に対して真横に向かうタイミングを迎えるため、地球からは土星の環が一時的に見えにくくなることが予想されます。この特性により、土星の雲の様子が一時的にボヤけて見えることもあるでしょう。
次に注目されるのは天王星です。1986年にアメリカのアメリカ航空宇宙局(NASA)の探査機「ボイジャー2号」が撮影した明るい青緑色の天王星に目が向けられます。ハッブル宇宙望遠鏡は北極周囲に広がった白い雲のような厚い氷を捉えています。公転周期が84年の天王星は、自転軸が98度傾いているため、その観測は非常に興味深いです。
現在、この重大な発見が続いています。たとえば、21989年に初めてハッブル宇宙望遠鏡が使用された結果、隠れていた雲の変化が掴まれています。ハッブル宇宙望遠鏡は、今後2年から6年の間に何らかの成果を継続して出していくと見込まれています。また、ハッブル宇宙望遠鏡の観測データを分析した結果、海王星の雲の増減は太陽の11年周期の活動と連動していることも判明しています。
太陽系最大の惑星である木星も、この研究の対象です。ハッブル宇宙望遠鏡は木星の大気に出現する数々の変化、さらに木星の最大の特異性である大赤斑を追い続けています。木星の自転軸は3度ほど傾いていますが、公転軌道の形は真円から少しだけゆがんでいるため、太陽からの距離の変化は非常に大きいのです。
ハッブル宇宙望遠鏡による新しい画像が公開されるたびに、太陽系の各惑星の動きに関する新しい理解が進むでしょう。2024年12月9日には、NASAや欧州宇宙機関(ESA)による最新の画像が公開される予定です。これに伴って、さらに多くの興味深い情報が明らかにされることでしょう。