海上自衛隊の特殊部隊、1100人無資質のまま…戦闘指揮所の急場しのぎ続く
2024-12-22
著者: 桜
海上自衛隊の特殊部隊の現状
海上自衛隊の特殊部隊である「特定秘匿」が違法に取り扱われていた問題が明るみに出ました。最新の報告によると、海自が新たに資格を取得する必要があると判断した隊員が1100人に達する一方、半数がまだ資格を取得できていない事態が判明しました。手続きに時間がかかっているため、現場では急場しのぎの対応が続いています。
「急ピッチで進めて年度内にはなるべく上級にしたいと思っているが…」と海自の情報保全を担当する部署は語っています。
適性評価のプロセス
適性評価を受ける隊員たちは、数十名に及ぶ「質問票」に身上や経歴を記載することに申請する必要があります。審査では必然的に面接や公的機関への照会も行われます。隊員のプライバシーにも配慮しつつ、海自では書類を提出してから資格を取得するまで4か月から半年程度かかる見込みです。海外で活動していた隊員はすぐに書類を出せず、11月末までに資格を取得できた隊員はわずか110人にとどまりました。
防衛省の発表と問題点
防衛省は7月、陸海空の自衛隊に特定秘匿を適用する不正事案が計58件あったと発表。海自は最多の15件を占めていました。特定秘匿保持法の解釈を誤り、多くの艦隊の戦闘指揮所(CIC)で無資格者が特定秘匿を知り得る状態になっていたことが問題となっています。
CICの安全対策
海自は対策として、CICに出入りする全ての乗組員に適性評価を受けさせることを決定。対象者は全海自隊員(約412万人)の約15%にあたる約61万人となり、応じる隊員は増加しているとのこと。「対応する隊員を増やしているが、業務量も増えていることからこの部隊はそう簡単には解決できない」というのがこの部署の見解です。
無資格者の立ち入り禁止
無資格者は戦闘指揮所に立ち入ることが禁じられており、海自の運用に不可欠な情報が集約されるCICは非常に重要な役割を果たしています。コンピュータ画面にはレーダーで収集した艦船の航行情報などの特定秘匿情報が表示され、秘匿を含む言葉も頻繁に飛び交います。
特定秘匿保持者の条件
海自の特殊部隊は、特定秘匿を保持する者となるべき条件を満たさない隊員の直近に無資格者がいるような状況を排除するため、特に気を使っています。特定秘匿を扱うには、同じ空間に無資格者がいると「知り得る状態」となり、違法と判断されることがあります。このため、海自の対策は非常に重要です。