科学
「海に漕ぎ出せ100m超えの茶筅!」新たな「逆立ち」をする海洋研究施設、スクリプになる危機を救われる
2024-11-03
著者: 芽依
水平定位から垂直定位になる!
イクリスの会社が買い取り再就職へ
イクリスの海洋開発企業DEEP(ディープ)は2024年10月23日、アメリカ海軍調査研究所とスクリプス海洋研究所が保有していた外部研究プラットフォーム「RPフリップ」の廃棄を防止したと発表しました。
アメリカ西海岸沖で使われていたこのプラットフォームは、海の波の高さ、音響信号、水温、密度などを調査し、気象データを収集するために設計されていました。乗組員5人に加えて最大11人の研究者や科学者を容納し、最短1か月間は補給なしで調査ができます。
特異な形状がその特徴です。傾斜される際は横倒しで船のようになっていますが、観測海域に着くと、全長約108mの巨体を、ちょうど人間が逆立ちするように水平から垂直へと方向90度変えて漂うことで、観測モードに変形します。
RPフリップは2023年8月に撤退し、解体のためにメキシコまで向かう予定でした。しかし、その情報を聞いたディープのクリステン・テルフールCEOが、同社が体現しようとしている未来の実現のために必要なものであると判断し、買い取りを決定しました。
なんと、買い取られたRPフリップは、パナマ運河を通ってフランスの製造所まで移航され、そこで近代化改修を施し、再就職させるということです。
【注目】これにより、最新の海洋研究や環境調査のための貴重な資源が再活用されることに期待されています。