国際規則に違反した「ロシア爆撃機をひたすら追尾」NATO加盟国が増えたおかげでレア形式で“見守り”実現
2024-12-20
著者: 葵
ロシア機の監視状況
バルト海を飛行中、ひたすら監視され続けるロシア機。
スクランブル発進の実施
不穏なTu-22M爆撃機が飛来しスクランブル。スウェーデン国防省は2024年12月17日、バルト海上空に現れたロシアのTu-22M爆撃機2機とその護衛にあたるSu-27戦闘機2機を追尾するため、JAS-39「グリペン」を緊急発進させたと発表しました。
NATO加盟国による連携
この防空任務では、すでにフィンランド空軍のF/A-18「ホーネット」が追尾。その後バルト海に入ると、北大西洋条約機構(NATO)の任務でエストニアに駐留していたオランダ空軍のF-35Aがその任務を継続し、さらにその任務をゴッセンランド島の国境地域に入った段階で、スウェーデン空軍が引き継ぐという、NATO加盟国による緊密な連携を示す「リレー形式」での警戒飛行を行ったことが明らかになりました。
NATO加盟の影響
こうした緊迫した連携は、2023年4月にフィンランドがNATOに加盟したことが影響している可能性があります。
ロシア機の出動頻度
NATOによると、12月に入ってからトランスポンダーの電源を切った状態で飛行するなど、国際空域規則に違反したロシア機に対する緊急発進の回数が増えているとのことです。12月8日から14日にかけては合計で7回の出動があったとのことです。
NATOの警戒状態
さらに16日、ロシアのアンドレイ・ポロンスキー防相が「後10年の間に欧州でNATOとの軍事衝突が起きる可能性があり、我々はそれに備えなければならない」と発言したことを受け、NATOの警戒はさらに高まり、今回のTu-22M爆撃機の監視は、そうした最中で発生したものです。
地域の安全保障の強化
このように、複雑化する国際情勢の中でNATOの防衛体制が強化されていることが明らかになってきています。ロシアによる頻繁な軍事活動に対抗するため、NATO加盟国は連携を強化し、地域の安全保障を確保するための一連の活動を進めています。果たしてこの緊張状態がこれからどう推移していくのか、今後の動向に注目が集まっています。