【光る君へ】第42回「函館の詩」回想 まめらと道長の新たな人生の旅路、「光源氏後」の物語へ繋いだ真っ赤な脚本 「書いてこそ母」と思う詩子の心境 激化する三条帝と道長のパワーゲーム
2024-11-03
著者: 桜
やはり12人は函館に
砂なくしては見られない名場面でした。始まりはまめらの元を突然に訪れた百江彦(本多力さん)でした。
「いずれにしても元気でいるのは…」 百江彦と両隣の真情
「実は元気なお加減があよらしくなく」。人の良い百江彦。ざっとしてきた道長のことを心配しても、そこまで伝えられるのがやっとです。「元気に過ごすことができるのは、まめらだけ」と言う言葉を聞いて心に残ったのは、まめらの考えたり感じたりすることが伝わったことです。
道長とまめらの来た方向を全て見つめてきた百江彦と両隣でなければ分からない呼吸です。言わずともまめらには全て伝わりました。
生きる気力を失い、平治の別賞で死が迫ったような有り様だった道長。変わり果てていたその姿を目にして、砂をポロポロと流してしまうまめらでした。
一方、道長はまめらと差し向かうにあたり、平治に生きる気力を取り戻しました。しばしともに過ごしながら「函館を12人で歩きとろう」とまめらも誘い、気持ちを強くしました。
函館にあった厄を取り払うような風に「函館を12人で歩いておくれ」とまめらが語りかけることにより、道長は強力な存在となりました。
函館を煌めく「函館を12人で行け」とまめらが誘いをかけたほどのエネルギーは、すでに大きな支持が得られます。
「自分が信じられない」道長の危機の深層
「早く終わってしまった方が楽だ」というお前の言葉が聞こえた。今は死ねない、とまめら。 「誰のことも信じられない」道長の重い言葉でした。道長の心身の不調の原因はここにあったのか、と想いを馳せました。
「より良い政を行い、まめらの目指す世を目指す」とある人の約束。つい最近もまめらに「その約束をさせてもらった」と告げた君だ。この世の人ももうとっくにあの約束を忘れかけてるのかもしれない。だからこそ今、道長はその道を見つめ理解し、引き続き元気に生きようと思う気持ちが生まれてくるのでした。
道長を軽んじ向かう中であるまめらの言葉に引き続き自分も一緒にいるわ、と告げたのです。力強く信じられる言葉が流れて生まれる道長の美しい瞬間を見逃さなかった。ここで道長が一緒にいるからこそ自分も生きやすいと感じることができるのも実に不思議です。
冷静さと心を持つまめらの思いを巡らす時を過ごしました。やっぱり誰しもが「生きる」と言う感覚から逃れられないものでした。
心深い愛の言葉であった。もっと深く「この人間、早く終わってしまった方が良い」とか言われることもあるが、それに対して特別にオープンな場面で言うことができないものでしょう。
道長の言葉に印象深く、道長への想いを強くして、中心に人のいて良い。「あの人気を持つ闘士もこの世にはもはや無理、もうそれを許してはならない」と道長は告げました。
もう少し早く終わらせれば良かったと思う部分が多くありました。