科学

高い知能を持つタコの腕の秘密を解明する驚き、詳細な3Dマップが作られる|クラパイア

2024-11-03

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タコの腕の特異な能力

タコの8本の腕は非常に特異で高性能だ。それそれの腕には神経があり、周囲にあるものを感じ取ることや、味わいを感じることができるだけでなく、全ての腕を自由自在に独立して動かすことができる。それこそが、タコが周囲の環境に適応する際の独自の能力を持つ理由でもある。

タコの腕の構造解明

実際には、どのような構造をしているのだろうか?この疑問を解明するために、「タコの腕の3D解剖マップ」が作られた。

研究の概要

アメリカサンフランシスコ州立大学の研究チームによる2つの研究では、DNA技術と電子顕微鏡を利用することで、タコの腕にある神経筋細胞や筋肉などがどのような構造をしているのか明らかにされている。

腕が独立した生物のような機能を持つ

このように、1本のタコの腕は独立した生物のような機能を持つ。タコはどのような意識を持った動物であるかに思いを巡らせると、骨がないため、その腕が流れるように動き、それによって強さと器用さが保たれていることがわかる。

神経筋細胞の研究

過去の研究では、タコの腕に345,000個以上の神経筋細胞があり、腕を制御しなくても情報を処理できることが明らかになっており、1本の腕に神経があることに対する研究者もいる。

神経ネットワークの違い

このようにタコの腕とその神経ネットワークは、私たち人間のそれとは大きく異なっている。しかしながら、問題はなぜ異なっているのか、それだ。タコも人間も高度な神経ネットワークを持っているという点で共通している。しかし、なぜ、敵対的な進化を遂げたのか、これが重大なことだ。

詳細な3D解剖マップの作成

今回は、サンフランシスコ州立大学のロビン・クルーク氏を中心とするチームが公開した、そんな懐疑的な問題の解明に役立つ詳細な3D解剖マップである。

DNA技術による神経筋細胞のタギング

1つ目は、DNA技術を用いて、マダコの各種神経筋細胞をタギングし、見分けられるようにしたものである。

神経筋細胞の分布

これによって、腕の根元から先端にかけて、各種神経筋細胞がどのように分布しているのか明らかにされた。

電子顕微鏡での構造観測

また、電子顕微鏡を利用した際には、神経筋細胞や筋肉の構造を観測し、それらがどのような形態で組み合わさっているのかが描き出された。

タコの皮膚のパターン

こちらでは、タコの皮膚の驚くべきパターン、筋肉内の神経管(神経繊維の束)や血管の構造などが明らかにされている。

進化を考える大きな一歩

こうして、タコの腕の3D解剖マップは、自身の進化を辿っている軟体動物の進化を考える上で大きな一歩となるだろう。

タコの神経系の謎

「なぜタコが一般的に異なる神経系を持っているのか、同様に複雑な人間などと違い、存在しているのか?」と、クルーク氏はプレスリリースで問いかけた。

解明されない謎

このことについては、機能的な理由や、タコの腕が根本的に異なる業を持っていることで説明できる部分があるため、あくまでいくつかの未解決の謎が存在していると考えられる。しかしながら、本当のところは、タコの科学者が一番知りたいことである。