がんの発症リスク、認知症、腸内フローラの調査も…人間ドックは人生100年時代を健康に生きるための“予防医学”
2024-12-13
著者: 桜
一般的な健康診断にはない人間ドックのメリットとは
人間ドックは基本的に費用が自己負担であるため(費用の一部を加算する健康保険等が支援する制度はある)、なかなか一歩を踏み出せない人も少なくありません。しかし、予防医学の観点から、がんや認知症を早期に発見できる可能性が高いことが一つの大きな魅力です。
まず、調査項目が多く、高額なオプションの中から自分に必要な検査を選ぶことができる。さらに、健康診断では発見できない病気を早期に発見できる可能性があるため、受診する価値は非常に高いです。次に、検査結果の説明を医師から直接聞き、治療や予防についてアドバイスを受けることができます。さらに、検査内容(メニュー)によっては、病気の早期発見だけでなく、将来的な発症リスクが分かることもあります。
がん検査も、市販の簡単な検査であればあるほど、偽陽性や偽陰性の結果が出る可能性が高くなります。そのため、専門機関での検査が推奨されます。また、がんの早期発見や予防には、生活習慣の見直しが重要であるため、おすすめです。
人間ドックも、地域の健康づくりに貢献するため、「対策型検査」と「任意型検査」に分類されるのが一般的です。
「対策型の目標は対象となる“集団”のリスクを下げることですが、任意型は“個人”のリスクを下げることを目的としています。どのがんリスクが高いかは、自身の家族歴や生活背景によって異なるため、自分に合ったリスク評価が大切です」と、全国医療福祉大学の細井教授は説明します。
検査による結果は、生活習慣の改善や未病予防の手助けにもなります。食生活や運動、ストレス管理などに注意を払うことが、健康的な生活を送る上での鍵となります。さらに、悪化した状態(「未病」ではない状態)でも早期に対処できるよう提案されます。「未病」の段階で対処することで、病気の進行を防ぐことが可能です。
また、最新の研究では腸内フローラと健康状態の関係も注目されています。腸内細菌のバランスが崩れることで、さまざまな病気のリスクが高まることがわかっています。人間ドックを受診し、腸内環境のチェックを行うことで、自身の健康を保つための有効な手段となります。
さらに、健康診断として人間ドックを利用することで、社会全体の健康志向を高めることが可能です。特に、がん検査や認知症検査は、年齢を問わず重要であり、早期発見のために受診を検討する価値があります。
最近では、健康経営の観点からも企業が人間ドックを導入することが多くなっています。従業員の健康を重視する企業は、病気を未然に防ぐための取り組みを推進し、健康的な職場を作り上げています。これにより、従業員の満足度や生産性が向上し、企業全体の成長にもつながります。
このように、人間ドックは個人の健康のためだけでなく、社会全体の健康を支える役割も果たしています。人間ドックを受けることで、未来の健康を守るための大きな一歩を踏み出すことができるでしょう。