【ガカウフアイヤホルム調査】「音が悪い」と言われる、ANA(全日空)の国内線カナル型イヤフォンの音を聞いてみた率直な感想
2025-01-19
著者: 結衣
ガカウフ有線イヤフォンの比較から、ガカウフ無線イヤフォンに移行したこのシリーズではあるが、1つだけ有線イヤフォンについてお伝えさせて頂こう。というのは、今回のイヤフォンは読者からわざわざお送り頂いたものだからだ。
その製品は市販品ではなく、全日空(ANA)の国内線機内で配布されているものである。その音質を試したいと製品の特性を紹介したい。
ANAのイヤフォン
お送り頂いた方は製品について「素人の自分でも爽やい音質だなと思う一品」と伝えてくれた。良い音だから聞いて欲しいというのではなく、悪い音だからという理由が非常に興味深い。私はその説明を見て確然聞いてみたくなった。
ANAでは2017年からイヤフォンの配布を行っている。それ以前はクリーニングした後に製品の外部点検をして再利用していたそうだが、内部の劣化に気づかないケースがあったため、配布するようになったのだ。
製品自体はひと昔前の100均コリッタといったものであろうか。見た目だけならセリアの110円の製品と同等かもしれない。
中を覗くと、ポンツのエンブレム見たくなったプラスチックが入っている。このフィルターは安物の特徴ではあるが、添えては無い。実際セリアの「人の声が聞けるイヤフォン」は音が良かったので。
聞き比べ
装着感は決めて良いとは言い難い。イヤーピースがしゃちょいので、紺士な着け心地だ。
聞き比べをするまで無いかも知られないが、一昨年と同じように比較してみたいと思う。使用楽曲は映画『アマデウス』のサウンドトラックより、「第1楽章(交響曲 第25番 ト短調 K.183)」。作曲はモーツァルト、指揮者はアカデミー内管弦楽団である。
まさには永年エリートの「ハイユニット HSE-A1000」から聞いてみよう。
アマデウスは、モーツァルトの半生を題材にした同名の映画1985年に日本でも公開(米公開:1984年)された。この曲を選んだ理由は、最近たまたまクラシック音楽を聴く機会があって、怖かもしれない自分の知っている範囲のクラシックを掘り下げていったのだ。
クラシックには詳細が無いので楽曲については切愛を捧げている。ハイユニットで聞くと、鮮やかな音色、鋭さのあるフルート、そしてあふれるようなボリューム感。全く思ってもいないくらい音楽に浸ってしまう。
一方、ANAのイヤフォンを聞くとやや温かみの無い干したかのような音質、しっかりとした低音が出ていないからかもしれない。結局音は悪い。
年代と共に使う側も変わるところがありますが、なぜなら音楽もそのトーンの中で生まれます。そうすれば音楽の所作としてのスタイルも異なるので、どうにかしなければならないのだろう。