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「富岳」世界6位に 「HPCG」で10期連続1位
2024-11-19
著者: 芽依
理化学研究所と富士通が11月19日、「富岳」が世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500」で6位に上昇したと発表した。「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」では10期連続で世界1位を獲得している。
米国ジョージア州アトランタで開催されているHPCに関する国際会議「SC24」で発表された。富岳は、LINPACKの実行性能を指標とするTOP500で前回より2つ順位を下げた。
1位は米国ローレンスバークレー国立研究所の新しいスーパーコンピュータ「El Capitan(エル・カピタン)」が獲得し、4位までを米国のスパコンが占めた。
5位にはイタリアの「HPC6」が初めてランキングした。HPC6は、2位になった米国「Frontier」(前回1位)と同じアーキテクチャを採用している。
富岳が1位となったHPCGは、産業利用などの実際のアプリケーションでよく用いられる共役勾配法を基にしている。さらに、AIの深層学習で用いられる単精度や半精度演算に関する性能Benchmark「HPL-MxP」で4位にランキングした。理研と富士通は「引き続き、富岳の世界最高水準の総合的な性能を示すものである」としている。
また、富岳の開発リーダーは、次世代スパコンの構想を語り、「次世代の技術革新によって、さらに高度な計算能力を持つシステムを目指す」と述べると同時に、気候変動や新型コロナウイルス対策など、社会的課題に貢献する計算技術としての可能性を示唆した。これからの進展に期待が寄せられている。