福岡市が水不足をAIで解決!? 世界トップクラスの低廃水率を目指す取り組み
2025-01-01
著者: 結衣
福岡市は一滴の水も無駄にしない──。この市の水道管からの廃水率は、2022年度にはわずか6.8%に達しました。これにより、福岡市は世界で最も低い廃水率を維持し、効率的な水資源の利用を促進しています。この取り組みの一環として福岡市は、人工知能(AI)を駆使した水資源管理システムを導入しました。このシステムでは、IoT(モノのインターネット)技術を取り入れ、水道管の状態をリアルタイムで監視し、漏水を早期に検知することができます。
2024年には、持続可能な水利用を促進するために、さらに高性能なIoTシステムが立ち上げられる予定です。このシステムは、福岡市内の160万人以上の市民に向けて、水の利用状況をフィードバックし、最適な水資源の管理を実現します。実際、福岡市は1978年の大規模な水質汚染事件以降、水源開発及び水質保全に力を入れており、以来、取水制限を実施せずに水の供給を続けています。
AIを導入することで、日ごとに変化する水道の状態を精密に把握し、24時間体制で水質調整や品質管理を行うことが可能となります。福岡市では2025年を目標に、都市全体の水道インフラをデジタル化し、さらに効率的な水道経営を実現しようとしています。このプロジェクトは、この地域における水資源の持続可能性を高めるだけでなく、他の地域モデルとしても活用される可能性があります。
また、AI技術の進化に伴って、福岡市は全国各地での水道事業におけるコスト削減にも寄与することが期待されています。そのために、AIによるデータ解析や予測技術が導入され、よりスマートな水道経営が実現されるでしょう。堅実な水道運営を行う福岡市は、今後も、AIとIoTを駆使して水不足問題に取り組む姿勢を崩さず、全国の模範となることを目指しています。