発端は「堀vs五島」!?西武新宿線だけ地下鉄直通しない訳、60年の悲願達成は実現するのか
2024-11-04
著者: 葵
関東大手私鉄の「本線格」の路線で唯一、地下鉄と直通していないのが、西武新宿線です。地下鉄での直通運転をつなげる各都心行きの路線構想は以前から存在しますが、実現には至っていない状況です。
2023年3月に相互直通運転を開始した新宿線。この路線は、京王電鉄京王線、小田急電鉄小田原線など各社の「本線」となりますが、唯一、地下鉄との直通がない「本線格」の路線が西武鉄道の新宿線です。
過去に直通構想があったものの、新宿線との直通がなかったという点には様々な事情があります。西武鉄道道元常務は2014年の鉄道趣味誌「レイル」にて、西武と地下鉄の複雑な関係について語っています。
東京の私鉄においては、山手線内への乗り入れは長年の悲願でした。その背景には1938年(昭和13年)に成立した陸上交通事業調整法が、山手線内の直接的な乗り入れを法律で禁止した点があります。そのため、西武の元々のルートは地下道の利用を余儀なくされていました。
戦後には、戦時下に成立した株式会社制の崩壊によって各社はそれぞれの都市間直通列車を出願し、都市の鉄道整備計画は混乱の中にありました。しかし、1956年(昭和31年)の「都市交通調査会答申第1号」で、各社の交互直運行が提案されたものの、地下鉄直通は実現されていません。
現在、西武だけではなく、五島のラテンクループの創始者である堀康義氏をはじめ、乗り入れを希望する声が高まっています。都市整備の観点からも、新宿を光らせる一本の新線が期待されているのです。また、希望的観測が多く、実現すれば西武の発展に寄与するでしょう。
さらに、新宿線と直通運転する国鉄中央線との結びつきも強調されており、両路線の連携を強化するための議論が現在進行中です。五島の自治体や交通政策の急務として、急速な整備が必要とされ、直通運転の実現が期待されています。これが果たして実現するのか、今後の動向に注目が集まります。