エンジン搭載! ソ連の元「世界最大の旅客機」、なぜ超クセ強デザインに? でも「あれ?どこかで…」
2024-11-16
著者: 愛子
旧ソ連で初めて開発された長距離向けジェット旅客機「Il-62」は、1963年に初飛行しました。この機体は、エンジンを4基搭載した「4発リアジェット」という珍しいスタイルを採用しています。なぜこのようなユニークなデザインになったのか、その理由は多岐にわたります。
Il-62は、最大航続距離は約7,500 km、全長53 m、全幅44 mと、当時の旅客機の中でも特に大きなものでした。最大200人の乗客を一度に運ぶことができ、アメリカの707やドイツのDC-8と対抗するために設計されました。しかし、これらの機体と比較すると、Il-62は4基のエンジンを搭載しているため、特異な外観を持つことになりました。
特に注目すべきは、Il-62の設計思想です。当初、パイロットは飛行機の上部に座り、後ろには乗客がいるという配置を考えていましたが、乗客の快適性を考慮して、最終的には通常のデザインに修正されました。しかし、この機体は、ホスピタリティや快適性を重視し、客室の騒音を抑えるための工夫が施されています。
Il-62は、1970年代に旧ソ連の主要航空会社で活躍し、西側諸国への航空路線でも利用されました。特に、1969年に日本航空(JAL)が導入したことで、日本でもその存在感を示しました。その後、時代が進むにつれて新型機にその座を譲ることになりますが、一部の地域では今日でも現役で運用されています。
しかし、Il-62はただの旅客機ではありません。実は、貨物機やVIP機にも改造され、多様な用途で活躍しています。その独特なデザインと歴史的背景から、航空ファンやコレクターの間でも高い評価を受けています。
最後に、現在も北朝鮮の指導者がこの機体を愛用しているという噂があるため、航空機ファンにとっては興味深い存在であり続けています。Il-62は、技術の進化と共に変化する航空業界の中で、一時代を築いた名機として記憶されることでしょう。