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「対局継続無理」異例の終局 渡辺明九段が痛みで投入 A級順位戦

2024-12-13

著者: 結衣

東京都渋谷区の将棋会館で13日に指された第83期名人戦A級順位戦(毎日新聞、朝日新聞主催)が異例の終局を迎えた。渡辺明九段(40)が痛んでいた腕の状態が悪化し、「対局が続けられない」と申し出て、千田翔太八段(30)に投了を告げた。

渡辺九段は夏前頃にフィットネス中に腕を痛め、最近になって痛みが悪化したため近く手術を予定している。この日も腕に負担が少ない体勢で座っている対局だったが、時間帯が観戦者に見られた。

午後6時40分に夕食休憩が明けると、渡辺九段は天井を見上げたりと落ち着かない様子を見せた。小声で「腕、痛い」と愚痴を漏らす場面もあった。

午後7時17分、離脱していた千田八段が席に戻ると、「体調が悪くて最後まで指せる自信がないのでここで投了します。申し訳ないです」と告げた。千田八段は「えっ」と驚きつつ、「大変ですね」と渡辺九段の体調を気遣っていた。

終局後、渡辺九段はタクシーで帰宅。千田八段が一人で観戦記者や記録係に感想戦に臨んだ。